写真●新技術の概要図(出典:NTTドコモ)
写真●新技術の概要図(出典:NTTドコモ)
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 NTTドコモは2013年4月8日、オープンソースのクラウド運用ソフト「OpenStack」を機能拡張し、仮想サーバー単位だけでなく物理サーバー単位でアプリケーションにサーバー資源を割り当てられるようにしたと発表した(写真)。これにより、OpenStackの管理性と物理サーバーの性能を両立できる。OpenStackの開発元であるOpenStack Foundationが4月4日、同機能を組み込んだ最新版のOpenStackである「Grizzly」を公開した。

 仮想サーバーと同様に物理サーバーをリソースプール化し、クラウド運用ソフト(OpenStack)から動的にデプロイ(配備)できるようにした。これにより、仮想サーバーを利用することによって生じるCPU負荷やネットワーク遅延、ストレージI/O性能などのオーバーヘッドを廃した。NTTドコモによれば、仮想サーバーの代わりに物理サーバーを使うことで、クラウドの応答時間を約10~50%改善できる、としている。必要に応じて仮想サーバーと物理サーバーを切り替えられる。

 NTTドコモでは今回、物理サーバーをリソースとして利用/操作するためのAPIを策定/実装し、世の中で広く使われるように、同社が2012年から参加しているOpenStack Foundationに対してソースコードを提供したという。このAPIは仮想サーバー操作用のAPIと互換性があり、これまで仮想サーバーの制御に利用していたソフトを変更することなく物理サーバー向けに流用できる、としている。