オンラインニュースサイトの米Business Insiderは現地時間2013年4月5日、米Amazon.comのJeff Bezos最高経営責任者(CEO)率いる投資グループから500万ドルの出資を受けたと発表した。調達した資金を使って編集や技術、販売・マーケティング、サブスクリプションサービス、イベントなどの分野に投資するとしている。

 Business Insiderに今回出資したのは、Bezos氏の投資会社であるBezos Expeditionsと、米RRE Ventures、米Institutional Venture Partners。Business Insiderがこれまで受けた、出資総額は1830万ドルとなった。米Bloombergによると、同社にはこれまでベンチャーキャピタリストのMarc Andreessen氏や、The Huffington Postの共同創業者であるKen Lerer氏も出資を行っている。

 Business Insiderの会社設立は2007年。DoubleClickの創業者Dwight Merriman氏とKevin Ryan氏、元Merrill LynchのアナリストHenry Blodget氏が共同設立した。テクノロジーニュースのSilicon Alley Insiderや、金融ニュースのClusterstock、エンターテインメントニュースのThe Wireといったサイトを運営している。前述のブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、Business Insiderは2012年に300万ドルの赤字を計上したと伝えている。2012年における同社の年間売上高は1000万ドルで、2013年は1500万ドルと増収になる見込み。だが赤字は続く見通しという。

 Business Insiderの創業者の1人でCEO兼編集長のBlodget氏はアナリスト時代、Amazon.comの電子商取引事業をいち早く高く評価した人物として知られている。しかし、同氏が投資銀行を助けるために発行した格付けが問題視され、2003年に米証券取引委員会(SEC)から米金融業界で働くことを禁じられた、と複数の海外メディアは伝えている。

 Blodget氏が従業員に宛てたメモによると、今回の出資はBezos氏と同氏が1年前に夕食をともにしたことがきっかけとなって実現した。

 なおBusiness Insiderでは今後もAmazon.comやBezos氏のベンチャー事業に関する記事を掲載するが、その際は記事の中でBezos氏が同社の出資者であることを明示するとしている。

[Business Insider CEOの声明]