写真1●パネル討論には日本側からは情報サービス産業協会(JISA)の浜口友一会長(右から2人目)と総務省の谷脇康彦情報流通行政局官房審議官(中央)、イーコーポレーションドットジェイピーのヨム・ジョンスン(廉宗淳)社長(右端)が登壇
写真1●パネル討論には日本側からは情報サービス産業協会(JISA)の浜口友一会長(右から2人目)と総務省の谷脇康彦情報流通行政局官房審議官(中央)、イーコーポレーションドットジェイピーのヨム・ジョンスン(廉宗淳)社長(右端)が登壇
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写真2●カンファレンスでの講演の様子。日韓両国から約60人が参加した
写真2●カンファレンスでの講演の様子。日韓両国から約60人が参加した
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 日本と韓国の政府・公共分野におけるIT活用の課題や国際連携の可能性について議論する「日韓情報サービス産業協力カンファレンス」が2013年4月5日に韓国・ソウルで開かれた。日経コンピュータと韓国・電子新聞社が共催した同カンファレンスには日韓の政府・IT業界関係者が集結し、意見交換を重ねた。

 基調講演に登壇した忠北大学のキム・サンウク教授は、電子政府の推進度合いで世界トップレベルにある韓国の取り組みについて、「過去25年間にわたってIT投資を継続し、粘り強く取り組んできた成果だ」と説明した。「情報システムは生き物のようなものであり、持続的に投資をしながら強化させていかなければならない。継続性が大切であり、一朝一夕には実現できない」と続けた。

 電子政府成功のポイントについて、キム教授は「政府トップの直接的な関与にあった」と分析した。「政府トップはプロジェクトを支援するだけでは足りない。コミットメントすることが大切だ」とした。「投資も重要である。韓国では政府のIT予算を年平均9%増やしている」と述べた。

 韓国情報化振興院のキム・ソンテ院長は、「これからのスマート社会を実現していくにあたって、その最大の原動力は国民一人ひとりの創造力にある。政府のシステムには、国民の創造力を生かして行政サービスの向上と行政コストの削減を実現するような発想が求められる」と話した。

 韓国ソフトウエア産業協会のチョ・ヒョンジョン会長は「日韓のIT企業は、お互いに強みを持ち寄ることでもっと成長できるはずだ。世界で戦えるソフトウエアを共に開発・提供し、世界で存在感を発揮させていきたい」と語った。