日立システムズは2013年4月4日、独SAPの中小企業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SAP Business One」をSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する「SAP Business One OnDemand」を開始すると発表した。SAP Business One OnDemandの提供は、日立システムズが初めてとなる。日本の中小企業に加え、東南アジアに進出する日系企業を主なターゲットとする。

 日立システムズは、独SAPとグローバルでホスティングサービスが提供できる契約を結ぶサヴィス・コミュニケーションズと提携。サヴィス・コミュニケーションズがシンガポールのデータセンターから提供するSAP Business One OnDemandの販売、構築を日立システムズが担当する。顧客から見た場合、「当社が全てのサービスを提供することになる」と日立システムズの広報担当者は説明する。

 SAP Business Oneは、独SAPの大企業向け「SAP ERP」とは異なる中小企業向けの製品。財務会計、販売・仕入・購買・在庫管理、顧客管理、営業支援保守サービスといった機能を提供する。27カ国語に対応しているほか、41カ国の税制や商習慣をサポートしている。独SAPは自ら中堅中小企業向けにSaaSとしてのみ提供する「SAP BusinessByDesign」もあるが、日本では未提供となっている。

 SAP Business One OnDemandの料金は初期費用が個別見積もりで、月額費用は1人当たり1万1550円から。日立システムズが提供するSAP Business One OnDemandの第一号利用企業として、バイオベンチャーのユーグレナが採用を決めているという。