写真1●リコー IT/S本部 ITインフラ統合センター ソリューション事業支援室 和久利智丈氏
写真1●リコー IT/S本部 ITインフラ統合センター ソリューション事業支援室 和久利智丈氏
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写真2●日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 副統括本部長 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長 宮坂美樹氏
写真2●日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 副統括本部長 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長 宮坂美樹氏
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 日本オラクルは2013年4月4日、仮想ネットワーク製品「Oracle Virtual Networking」の説明会を開催し、約1年前から導入中のリコーの事例を紹介した。

 リコーでは、社内のシステム開発基盤および顧客にSaaSで提供するソリューションサービスのIT基盤として活用している。リコーのIT/S本部 ITインフラ統合センター ソリューション事業支援室の和久利智丈氏(写真1)は、「ネットワーク構成の複雑さは避けられないため、仮想ネットワーク製品で簡素化する必要があった」と語る。「Oracle Fabric Manager」でネットワーク構成の管理を可視化している。

 「社内でハイパーバイザーを止めることはタブー視されているが、Oracle Virtual Networkingではハイパーバイザーを稼働させたままネットワークの構成変更や調整などの作業ができる」(和久利氏)。スモールスタートが可能で柔軟性があること、システム構成の変更が遠隔操作で可能なこと、Infiniband対応により40Gbpsの広帯域ネットワークが構築できることなどが導入の理由だとしている。

 日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 副統括本部長 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長の宮坂美樹氏(写真2)は、「オラクルの仮想ネットワーク製品は、プライベートクラウド環境で課題となっている複雑性や増大するデータ量、セキュリティリスクなどに対応し、課題を解決する」と話す。

 Oracle Virtual Networkingについても、「シンプルで高性能、高セキュリティであることが特徴だ」(宮坂氏)。多くの接続が必要となるサーバー集約や仮想化環境においても、さまざまなプロトコルに対応しているため一つのコンポーネントであらゆる機器を接続し、運用の簡素化が可能という。

 帯域はサーバーあたり80Gbpsで、「バーチャルマシンのマイグレーションが19倍高速に実現でき、バックアップ時間も30倍高速になる。遅延は1Gbイーサネットの3分の1だ」と、日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 プロダクト・マネジメント・オフィス シニアセールスコンサルタントの谷茂俊氏は話す。従来のI/Oトラフィックを物理的に分離し、セキュリティを確保しているという。

 和久利氏は、「これまでは部門ごとにサービス基盤が乱立し、それぞれ要件が異なっていたが、Oracle Virtual Networkingなどの製品を活用してグローバルで基盤を集約し、共通ITインフラを構築できた。これにより仕様の調整時間が短縮され、ユーザー部門の要求変化にも柔軟に対応できるようになった」と導入効果を語った。