日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)とNECアクセステクニカは2013年4月4日、IPv4アドレス枯渇への対策技術である「464XLAT」が国際標準文書の「RFC 6877」として正式に発行されたと発表した。RFC(Request for Comments)はインターネットの標準規格を記した技術文書で、IETF(Internet Engineering Task Force)が発行する。464XLATは、上記2社と米T-Mobile USAの3社がIETFに共同提案していた。
464XLATは、既存のRFC 6145とRFC 6146を組み合わせたIPv4アドレス共有技術の一つで、IPv6ネットワーク上でIPv4サービスを提供可能にする。IPv4とIPv6を変換するトランスレーション(プロトコル変換)技術を使用する。
この技術は、JPIXが2010年7月から実験サービスをしている「IPv6v4エクスチェンジサービス」で得た知見を基に、3社で提案したものだ。IPv6v4エクスチェンジサービスは、IPv6インターネット接続のエンドユーザーに対して、464XLATを用いることでIPv4インターネットへの到達性を提供するサービスである。エンドユーザーがLANで使うプライベートIPv4アドレスをホームゲートウエイ(464XLAT CLATと呼ぶ)でIPv6アドレスに変換。プロバイダーのIPv6ネットワークを経由したあと、JPIXのバックボーンネットワークにあるトランスレーター(464XLAT PLATと呼ぶ)でグローバルIPv4アドレスに変換する。
今後の予定として、JPIXはIPv6v4エクスチェンジサービスの正式開始に向け準備を進め、プロバイダーのIPv6サービス対応のサポートに取り組む。NECアクセステクニカは、464XLAT技術を搭載したホームゲートウエイをIPv6v4エクスチェンジサービス向けに提供しているが、今後は国内外の他の通信事業者にも464XLAT技術を搭載した製品の提供を検討していく。