写真●日本エヴィクサーが開発した「Chiffon」(シフォン)の操作画面
写真●日本エヴィクサーが開発した「Chiffon」(シフォン)の操作画面

 トランスコスモスは、リモートコントロールで動作するネットワーク製品やIP-PBX、映像認識などを手がける日本エヴィクサーと共同で、スマートフォン(スマホ)向けのIP電話ソリューションを2013年4月5日から提供する。

 同ソリューションは、スマホで動作するIP電話アプリ(ソフトフォン)を使ったサービスを低コストで開発可能にするもの。例えばスマホアプリにコールセンターへの通話機能を組み込んで提供しコールセンターに直結することで、ユーザーが通話料金を負担しなくてもよいコールセンターの構築が可能になる。

 コールセンターの運営者は通常の電話回線を使うコールセンターに比べてコストを削減できる。既に大手通信販売会社が同ソリューションを使い、利用者が通話料を負担しなくてよい無料型コールセンターを提供している。

 ソリューションの名称は「トランスコスモス IP Phone」。日本エヴィクサーのソフトフォン技術とSIPサーバー技術を使い、トランスコスモスがコールセンターのソリューションの開発提供や販売窓口を担当する。

 コールセンターのほか、ユーザーを囲い込みたい企業に専用のIP電話アプリを開発して提供可能にするサービスや、従業員のスマホにIP電話アプリを導入することで、従業員の通話を無料にするBYOD(私物デバイス活用)を実現するサービスもメニューとして備える。ソリューションの料金は、フリーダイヤルのコールセンターサービスで1回線あたり月額3万円から。BYODサービスは1回線あたり月額500円から。

 同ソリューションのもとになったのは、日本エヴィクサーが開発した「Chiffon」(シフォン)と呼ぶソフトフォン(写真)。Chiffonはオープンソースのソフトフォン「LinPhone」(リンフォン)をベースに、暗号化と音声コーデックのチューニングを施して開発した。

 同社が運営するSIPサーバーは、同時に接続される呼を効率的にさばくノウハウなどを組み込み、SDK(ソフトウエア開発キット)化した。これら要素技術をベースに、スマホで動くソフトフォンによる無料通話ソリューションを企業向けに展開していく。「LINEやカカオトークなど、スマホで動く個人向けの無料IP電話アプリが急速に拡大した。我々は品質が高くセキュリティにも配慮した企業向けのIP電話でビジネスを展開する」(日本エヴィクサーの瀧川淳社長)。