日本のSDN(Software Defined Networking)ベンチャー企業であるミドクラは2013年4月3日、シリーズAラウンド(スタートアップ企業への初期段階の投資)で総額1730万ドル(約16億円)の増資を完了したことを発表した。増資を引き受けたのは政府系の産業革新機構、NTTグループのNTTインベストメントパートナーズファンド投資事業部門、NECグループのイノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合など。

 今回の増資と同時に、グローバル経営の強化を狙って体制を変更。現CEO兼共同創業者の加藤隆哉氏がは取締役会長に、現CTO兼共同創業者のダン・ミハイ・ドミトリウ氏が最高経営責任者(CEO)に就任する。加えて、本社をスイス・ローザンヌに移転する。知的財産の管理、安定した金融環境を理由にしている。

 ミドクラはサーバー仮想化環境向けに仮想スイッチのソフトウエア「Midonet」を提供する企業である。Midonetを利用することでネットワークを仮想化して、VLANを使わずに論理的なネットワーク構成を柔軟に変更できるようになる(関連記事:[ITpro EXPO 2012]ミドクラ、OpenStackと組み合わせたネットワーク仮想化のデモ動画を展示 )。オープンソースのクラウドコントローラー「OpenStack」との強固な連携も特徴で、クラウド事業者や大規模仮想化環境のインフラを効率化することに焦点を当てている。