SCSKは2013年4月3日、更新データを都度コピーすることで常時最新のミラーディスクを用意するCDP(継続的データ保護)の手法によって災害時に素早くシステムを復旧できるようにしたデータバックアップシステム「SCSK FalconStor CDP Expressシリーズ」を発表、同日出荷した。米FalconStor SoftwareのCDPソフト「FalconStor CDP」とPCサーバー(米Hewlett-Packardの「HP ProLiant Gen8」)を組み合わせたパッケージシステムである。

 FalconStor CDPは、障害発生時に直前のデータに復旧できるCDP機能を備えた仮想ストレージソフト。データバックアップ先となるストレージ(iSCSIターゲットソフト)と、バックアップ元となる業務サーバーにインストールする専用のエージェントソフトで構成する。このエージェントがCDP機能を備えており、サーバー側で変更があったブロックを、常時ミラーディスク(バックアップ先ストレージ)にコピーする。障害発生時は、元ディスクの代わりにミラーディスクをマウントしてシステムを起動する。

 SCSKは今回、FalconStor CDPのアプライアンスと構築サービスを製品化した。目的に応じて、(1)「FalconStor CDP ストレージパッケージ」(4モデル)、(2)「RecoverTrac パッケージ」(1モデル)、(3)「サービスパッケージ」(3モデル)---の三つの製品モジュールを組み合わせて購入する。それぞれハードウエアスペックや価格を体系化/開示しており、パッケージとして購入/導入しやすくしている。

ソフト/ハードのセットと導入サービスを組み合わせて購入

 (1)のFalconStor CDP ストレージパッケージは、バックアップの基本製品で、バックアップ容量に応じて「4Tバイト」(550万円、税込み、以下同)、「8Tバイト」(700万円)、「12Tバイト」(850万円)、「20Tバイト」(1200万円)---の4種類を用意している。LAN上でのローカルバックアップ用途にも、リモートバックアップ用途にも、いずれにも利用できる。

 (2)のRecoverTrac パッケージは、(1)のFalconStor CDP ストレージパッケージを導入していることを前提に、災害発生時の自動復旧を可能にするオプション製品。FalconStor CDP ストレージパッケージのバックアップデータを利用して、RecoverTracから仮想サーバーを起動し、保護対象のサーバーを自動復旧させる。価格は300万円。

 (3)のサービスパッケージは、(1)のFalconStor CDP ストレージパッケージや(2)のRecoverTrac パッケージとセットで購入するシステム構築/導入サービス。用途に応じて、「ローカルバックアップ環境構築パッケージ」(300万円)、「リモートバックアップ環境構築パッケージ」(300万円)、「システム自動復旧環境構築パッケージ」(300万円から)---の三つを用意した。

 製品の組み合わせ方法の例は、以下の通り。最も基本的なLAN上でのバックアップの場合は、(1)のFalconStor CDP ストレージパッケージと、(3)のローカルバックアップ環境構築パッケージを組み合わせて購入する。このケースでは合計で850万円になる。一方、システムを自働復旧させたい場合は、ローカルサイト(850万円)とリモートサイト(850万円)に加えてRecoverTrac パッケージ(300万円)とシステム自動復旧環境構築パッケージ(300万円から)が必要になる(合計で2300万円から)。