写真●Equalizer E370LXの外観
写真●Equalizer E370LXの外観
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 ネットワールドは2013年4月3日、ハードウエアを新きょう体に刷新して性能を高めた負荷分散装置の新シリーズ「Equalizer LX」を発表し、第1弾としてミッドレンジモデル「Equalizer E370LX」(写真)の販売を開始した。5月に出荷する。既存モデルと比べて、価格を変えずにスループット性能を6倍に高めた。開発会社は、米フォーティネット(Fortinet)が買収した米コヨーテ・ポイント・システムズ(Coyote Point Systems)。

 特徴は、負荷分散本来の目的とは異なる機能を削ぎ落として低価格化を図りつつ、VMware仮想サーバーのシャットダウン制御など、負荷分散の価値を高める機能拡張を取り込んだこと。Webサーバー向けの基本機能を一通り備えており、セッション維持はIPアドレスとCookie、負荷分散アルゴリズムはラウンドロビンほか静的/動的重み付けや最小コネクション数など各種の手法を利用できる。

 機能面の特徴は、アクセス負荷に応じて負荷分散の対象となるサーバー機の台数を動的に増減させることができること。具体的には、EqualizerがVMware vCenterと連携し、VMware仮想サーバーのシャットダウン制御ができる。これにより、システム管理者がサーバー構成を手動で変更することなく、アクセス負荷の集中時に大量の仮想サーバーを立ち上げてこれらに負荷分散し、負荷が小さいときにはサーバー台数に減らす運用ができる。

ハードウエア刷新でスループットを6倍に向上

 今回、ハードウエアを刷新したEqualizer LXシリーズを用意した。新シリーズの第1弾として、既存シリーズ「Equalizer GXシリーズ」(全4モデル)のうち、下から2番目に位置するミッドレンジモデル「Equalizer E350GX」の後継となる「Equalizer E370LX」の販売を開始した。残りの三つのモデルが新シリーズに移行する時期は未定。

 新モデルの価格(税別)と、既存モデルと比べたスペックの詳細は、以下の通り。価格は132万円(2重化構成は245万円)で、既存のE350GXと同じ(据え置き)。ネットワークポートは、1GbE×6(E350GXは1GbE×12)。スループットは、4.8Gビット/秒(同850Mビット/秒)。レイヤー7の性能は、7万5000件/秒(同5万件/秒)。SSL(2048ビット)のコネクション確立は、2000件/秒(同500件/秒)。

 なお、新シリーズに置き換わっていない残りの3モデル(いずれも2009年に出荷)の価格とスループットは、以下の通り。E350GXの下位モデルに当たる「Equalizer E250GX」は、価格が49万8000円(2重化構成は99万6000円)、スループットが600Mビット/秒。E350GXの上位モデルに当たる「Equalizer E450GX」は、価格が230万円(2重化構成は400万円)、スループットが1Gビット/秒。最上位モデルの「Equalizer E650GX」は、価格が400万円(2重化構成は700万円)、スループットが1.3Gビット/秒。

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