米AppleがiPhoneの新モデルの生産を第2四半期(4~6月)に開始すると米Wall Street Journal(WSJ)が現地時間2013年4月2日に報じた。Appleのフラッグシップ端末の次期モデルが今夏に発売される可能性が出てきたとしている。

 同紙によると、iPhoneの新モデルは大きさと形は現行の「iPhone 5」と同じ。また同紙は事情に詳しい関係者の話として、Appleがアジアの製造業者と協力して廉価版のiPhoneを開発していると伝えている。廉価版は画面サイズがiPhone 5と同じ4インチだが、本体ケースの素材は現行のiPhone 5と異なる可能性があるという。今後計画が変更される可能性もあるが、Appleは複数の本体カラーの廉価版iPhoneを開発している。こちらは2013年後半に発売される模様と同紙は伝えている。

 報道が正しいとすればAppleが2種類の新モデルを同じ年に市場投入するのは初めてである。同紙はその理由として、消費者の低価格端末への需要が高まっていること、膨大な種類のスマートフォンが登場したり、韓国Samsung Electronicsが台頭したりして、スマートフォンの低価格化が進んでいることを挙げている。これによりスマートフォン市場では一つの端末で利益を確保するのが難しくなっているという。

 iPhoneを巡ってはこれまで何度も新モデルの情報が報じられた。3月には台湾のアナリストやAppleの情報に詳しいWebサイト「iMore」などが、新しいA7チップと新OS「iOS 7」を搭載する「iPhone 5S」と、本体カラーが6色用意される廉価版iPhoneが夏に発売されると伝えていた(関連記事:Apple、iPhone 5Sと廉価版のiPhoneを6月に発表か---海外メディア報道)。

 一方でサンフランシスコの日刊紙San Francisco Examinerが現地時間3月31日に、AppleのiPhoneは2世代先のモデルまで既に開発されていると伝えて、話題になっている。

 これは、サンフランシスコ地方検事のGeorge Gascon氏と、Appleの政府渉外担当責任者であるMichael Foulkes氏の会談で、Foulkes氏が話したとされている。記事によると両氏は、スマートフォンの盗難抑止機能に関して話し合っていた。サンフランシスコの強盗事件でスマートフォンを狙った事件が急増しているためだ。キルスイッチとも呼ばれるこうした機能を端末に搭載することは研究開発に長い時間がかかる。Foulkes氏はそう説明したうえで、次世代のiPhoneについてGascon氏に説明したと記事は伝えている。