写真1●新装した武雄図書館の内部
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 佐賀県武雄市で2013年4月1日、レンタルソフト店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)による市図書館の運営が始まり、初日の入館者は2011年度の1日平均の約7倍にあたる5517人だったことが分かった。従来の入館者数は年間25万5822人(2011年度、開館日331日)で、一日あたり773人。

 これは、武雄市がCCCを指定管理者として選定し(契約は5年間)、公立図書館部門の運営を委託したもの。iPadを図書のリファレンス用に導入するなど図書館部分の機能を強化したのに加えて、CCCの店舗運営のノウハウを生かして、これまでの公共図書館にはないサービス提供も実現している。

写真2●美術館のような趣向を凝らしたゲート
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写真3●リニューアルした武雄図書館。瀟洒な外観が目を引く
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 図書館部分に関しては、図書館の開架部分の面積を以前の約1.4倍(約1570平方メートル)に拡大、総座席数は279席と従来の約1.7倍に増やした(スターバックスの座席を含む)。開架蔵書数は20万冊で、従来に比べて倍増している。開館時間は、従来の年34日休館、午前10時~午後6時までから、年中無休で午前9時~午後9時までに変更した。

写真4●ガラス張りの窓から入る自然光で読書ができる
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写真5●1階の文学書のコーナー。以前は閉架部分だったのを改装した
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 レファレンス機能を強化するために、専用カウンターを1つから4つに増設し、iPadを使った30台の検索端末を用意。職員数は50人で以前(23人)の倍以上だが、図書館部分に限ると16人と減少している。貸し出し管理用にCCCの共通ポイントカード「Tカード」の利用を可能にし、自動貸出機を通すとポイントが付くようにした。なお、従来の図書館カードも利用可能で、市民はどちらかを選択できる。

 図書館以外の部分では、書籍販売や音楽・映像パッケージのレンタルを行なう「蔦屋書店 武雄市図書館店」と「スターバックスコーヒー 蔦屋書店 武雄市図書館店」が出店している。

写真6●スターバックスの店舗。公共図書館内には日本初の出店となる
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写真7●DVDレンタルや書籍の購入ができる蔦屋書店武雄市図書館店
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 武雄市とCCCは、初年度来館者数と貸し出し冊数を、それぞれ従来の2倍の約50万人、70万冊と予想している。