米Nuance Communicationsは現地時間2013年4月1日、音声認識技術を利用したターゲット型モバイル広告フォーマット「Voice Ads」を発表した。

 Voice Adsは、広告に向かってしゃべることを消費者に促し、会話を進めることにより、ブランドが消費者とのより深い関係を構築できるようにする。位置情報や音声入力など、モバイルデバイス特有の機能に最適化されており、モバイル広告エコシステム全体にわたる統合が可能だとしている。

 Nuanceは同日、Voice Adsのソフトウエア開発キット(SDK)をモバイル広告プラットフォーム、ネットワークプロバイダー向けにリリースした。すでに米Digitas、米OMD、フランスPublicis傘下の米Leo Burnettなどの広告代理店、米Millennial Media、米Jumptap、ノルウェーOpera GroupのOpera Mediaworksといったモバイル広告ネットワークと提携しているという。

 調査会社の米eMarketerによると、世界モバイル広告市場の規模は、2011年の40億ドルから2012年の84億1000万ドルへと、2倍以上に拡大した。2016年には370億ドルに達する見込みだという。

 しかし、モバイル広告市場はこれほど急速に成長していながら、依然パソコンやテレビ向け広告と比べはるかに収益が低い。Nuanceは、消費者に行動を起こさせるより魅力的な広告を作り出す手段として、「会話」ほど自然で興味をそそるものはないと説明している。

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