米AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は現地時間2013年4月1日、中国の消費者に誤解を与えたとして同社の中国向けWebサイトで謝罪。iPhone 4とiPhone 4Sの保証制度と、顧客への対応方針を見直すと約束した。

 中国では同年3月半ばに政府系メディアが、「Appleが中国で適用している保証制度は、他国での制度と比べて差別的。Appleの対応も傲慢で問題がある」と批判していた。米Wall Street Journalによると、Appleを厳しく非難していたのは中国中央テレビ(CCTV)と人民日報。顧客が故障したiPhoneをAppleに持ち込んだ際、Appleが他国で行っているように新品のiPhoneと交換せず、修理されたiPhoneには新たな1年間の保証をつけなかった。こうした行為が、中国の消費者を差別しているという批判だった。

 Cook CEOは4月1日に公開した声明文で、「コミュニケーション不足が、消費者の声を軽視する傲慢な企業という認識につながった」とし、消費者の不安や誤解を招いてしまったと謝罪した。今後は、iPhone 4とiPhone 4S修理保証ポリシーを見直し、Webサイトでの保証に関する説明を簡素化する。また認定再販業者の従業員教育を徹底し、顧客対応も迅速化するとしている。 2012年4月1日以降に修理されたiPhone 4と4Sに、1年の修理保証を付けることも約束した。

 Wall Street Journalによると、中国のメディアはこれまでもドイツのVolkswagenやケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する米Yum Brandsを批判しており、外国企業は同国メディアの攻撃対象になることがある。AppleのCook CEOが謝罪したのは、同社にとって2番目に大きな市場である中国の重要性が高まっていることを示している、と同紙は伝えている。

[Appleの発表資料(中国語)]