NTT東西地域会社は2013年3月29日、両社とNTT持株会社が共同で実施する予定の「インターネットご利用状況調査のモニター募集」について、当初掲載した参加規約や募集内容を変更する可能性の検討を開始した。両社のFTTHサービス会員プログラム「フレッツ光メンバーズクラブ(NTT西日本は「Club NTT-West」)」の加入者向けに参加を呼びかけているもので、現時点での実施期間は4月8日から7月31日を予定している。

 このモニター調査では、参加規約に同意したユーザーに、自分のパソコンやスマートフォンにログ情報を自動収集する専用アプリをインストールしてもらう。専用アプリはユーザーの端末情報や利用しているネットワークのトラフィック量などのほか、パソコンの場合は、閲覧しているURLやWebページ情報、ブラウザーに表示されている情報などを、NTTのモニター調査用データベースに送信する。ページ情報やブラウザーの表示情報なども収集するため、モニター募集のWebページでは、「ログイン用のパスワード等は一切取得しない」「クレジットカード情報などの個人情報を入力・表示する可能性がある場合は、事前に設定することで収集されないようにできる」「ECサイトやモバイルバンキングなどでログを収集されないように設定できる」といった注意書きを掲示している。

 モニター調査の目的は、「NTT東西のサービス向上や、NTT持株のログ収集技術の検証」である。しかし、ユーザーが自ら設定しなければかなり広範囲のネット利用状況が収集されてしまうため、Twitterなどを中心に「目的が不明確だ」「同意さえ取れば何でも取得できるようになってしまう」といった不安の声が上がっていた。

 こうした反応に対して、NTT東西はモニター調査の規約や案内の見直しの検討を3月28日に開始した。29日にはモニター募集ページに、収集した情報の取り扱いについて規約などを変更する可能性があるとの告知を掲載した。状況によっては、調査スケジュールを延期する可能性にも言及している。NTT東日本によれば「当初の告知に説明不足の点があったことは事実であり、ご批判があったことを真摯に受けとめている。調査内容を変更をする可能性も含めて適切に対応したい」としている。

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