図1●サイバー犯罪の検挙件数推移およびネットワーク利用犯罪の内訳(<a href="/article/NEWS/20130329/466941/" target="_blank">記事本文へ</a>)
図1●サイバー犯罪の検挙件数推移およびネットワーク利用犯罪の内訳
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図2●不正アクセス禁止法違反事件の発生状況(<a href="/article/NEWS/20130329/466941/" target="_blank">記事本文へ</a>)
図2●不正アクセス禁止法違反事件の発生状況
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 警察庁は2013年3月28日、2012年のサイバー犯罪の検挙状況および不正アクセス行為の発生状況を公表した。サイバー犯罪の検挙件数は前年比27.7%増の7334件で、過去最高を記録。ネットワーク利用犯罪も22.7%増の6613件で過去最高。不正アクセス禁止法違反は119.0%増の543件。検挙人員は40人増の154人で法施行以降で最多となった。コンピュータ・電磁的記録対象犯罪及び不正指令電磁的記録に関する罪は73件増、69.5%増の178件で、うち、不正指令電磁的記録に関する罪は41件だった。

 2012年中に都道府県警察の相談窓口で受理したサイバー犯罪などに関する相談件数は7万7815件で、前年比3.1%減。詐欺・悪質商法に関する相談は11.5%減の2万9113件と減少したが、迷惑メールに関する相談は11.0%増の1万2946件平成2002年以降、増加傾向にある。

 不正アクセス後の行為では、認知件数のうち、オンラインゲーム、コミュニティサイトの不正操作が662件で52.9%と過半数を占めた。パスワードの入手手口は、ユーザーから聞き出した、またはのぞき見により入手したものが229件で43.0%と最多だった。

 改正不正アクセス禁止法で新たに処罰対象となった識別符号取得行為、フィッシング行為はそれぞれ2件検挙された。フィッシングの検挙事例では、2012年12月熊本で、14歳の男子中学生が、大手コミュニティサイトのログイン画面に酷似したフィッシングサイトを海外のサーバーに開設し、他人のID・パスワードを不正に要求し検挙されている。

 不正指令電磁的記録に関する罪では、2012年12月京都で、28歳の会社役員の男性ら5人は、スマートフォン内の電話帳データを抜き取るアプリを作成し、「電波状況が改善するアプリ」などと偽って、ダウンロードさせ検挙されている。

 また、「連続自動入力プログラムによる不正ログイン攻撃により、11万4013件の不正ログインが行われていた旨の資料提供を受けた」(警察庁)という。

 そのほか、国および民間で実施しているアクセス制御機能に関する技術の研究開発についても現在の状況を公表している。

[平成24年中のサイバー犯罪の検挙状況等について]
[平成24年中の不正アクセス行為の発生状況の公表について]
[不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況]