米Amazon.comは現地時間2013年3月28日、読書愛好者向けのSNSを運営する米Goodreadsを買収することで合意したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにしていないが、Goodreadsは今後も独立した企業として存続し、同じブランド名でサービスを継続していく。現在Goodreadsで提供している様々な交流機能も維持するとしている。Amazon.comはGoodreadsのサービスを電子書籍端末/アプリケーション「Kindle」に導入するもようだ。買収手続きは2013年第2四半期(4~6月)にも完了する見通し。

 Goodreadsの設立は2007年。本社は米サンフランシスコ。利用者が読んでいる本をメンバー同士で共有したり、好みの本を推奨してもらったり、感想や意見を述べ合ったりできるというサービスを提供している。現在の登録メンバー数は約1600万人。サイト内には約3万の読書会があり、登録されている本は5億2500万冊に上るという。

 Amazon.comはGoodreadsの買収目的について、具体的には触れていないが、Goodreadsの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のOtis Chandler氏は公式ブログで「Kindleとのサービス連携は長年の課題だった。今後は当社サービスをKindleのユーザー層にも紹介できるほか、Amazonの協力のもとサービスを拡充できる」と述べている。

 また海外メディア(英Financial Times)によると、Amazonの狙いは、KindleへのSNSの導入。印刷書籍や電子書籍を販売する競合企業はいち早くFacebookやTwitterなどのSNSを利用して顧客サービスを行っているが、Amazonはこの分野で遅れをとっているという。これは同社のJeff Bezos CEOが他社サービスとの連携を嫌っているため。Bezos氏は他社のプラットフォームを利用するのではなく、自社だけで顧客サービスを完結させたいと考えていると、同紙は伝えている。

[Amazon.comの発表資料]
[Goodreads公式ブログへの投稿記事]