写真●ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏
写真●ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏
[画像のクリックで拡大表示]

 製品ライフサイクル管理などのソリューションを提供するダッソー・システムズは2013年3月28日、事業戦略について説明会を開催した。同社 代表取締役社長の鍛治屋清二氏は、2013年に注力することとして、業界別ソリューションの拡大、セールスチャネルの統合、パートナーとのエコシステムの拡大、教育分野における連携強化、ブランディングの強化を挙げた(写真)。

 まず業界別ソリューションは、すでにワールドワイドで12業界に向けて展開しているが、「日本では特に自動車・輸送機械業界向けソリューション、産業機械業界向けソリューション、ハイテク業界向けソリューションに注力する」と鍛治屋氏。この3業界が日本で特に大きな収益源になっているためだ。ダッソーでは機能別のソリューションも展開しており、今後もこうした製品の提供は続けるが「業界別パッケージでは、その業界に特化した無駄のないソリューションが提供できる。機能別製品をばらばらに買い集める必要もない」と鍛治屋氏は説明する。

 セールスチャネルの統合では、現在企業規模別およびダッソーの子会社となるソリッドワークス・ジャパンの製品に分けて展開している3つのセールスチャネルを統合する。これにより、ソリッドワークス製品とのデータ連携やシステム構築がやりやすくなるという。

 エコシステムの拡大については、サービスプロバイダーやシステムインテグレーターとのパートナーシップを強化する。鍛治屋氏は、「需要拡大に伴い、ダッソーだけではデリバリーしきれない状況になっている。顧客のグローバル化も進んでいるため、世界規模でサポートが提供できるようなパートナーと組んでいきたい。また、産業別ソリューションを展開しやすくする業界特化型のパートナーも必要だ」としている。

 教育分野における連携強化は、これまでにも関わってきた全日本学生室内飛行ロボットコンテストやEV超小型モビリティデザインコンテストにおいて、ダッソー製品の提供を今後も続ける。また、ブランディングを強化するために、新たなマーケティングの人員を強化、イベントの開催や季刊誌の発行も始めた。

 ダッソーでは、2012年2月に「3Dエクスペリエンス」という新たなコンセプトを打ち出し、今後10年かけてこの基盤を築いていくとした。2013年もこのコンセプトに沿って「単なるデザインや設計といったPLM領域だけでなく、エンドユーザーの体験までをサポートするプラットフォームを提供していきたい」鍛治屋氏は述べた。