日本通信は2013年3月28日、KDDI(au)とソフトバンクモバイルにレイヤー2の相互接続を申請したと発表した。同社は2009年3月にNTTドコモとのレイヤー2接続を実現して独自のデータ通信サービスを展開中。今回、新たにKDDIやソフトバンクモバイルからも設備を借り、複数の回線を組み合わせることで信頼性の高いサービスを提供する考え。
日本通信は複数の携帯電話会社の回線を組み合わせた高信頼サービスの投入を以前から表明していた(関連記事、写真)。米国子会社がスプリント・ネクステルの携帯電話回線をメイン回線に用いたATM(現金自動預け払い機)接続サービスを展開中。従来の専用線に比べて運用コストを数分の1に低減できる利点があり、国内でもM2M(Machine to Machine)分野を中心にこうしたニーズは高いとみている。障害時に同じIPアドレスを用いたまま回線をシームレスに切り替えられるデュアル・ルーターも特許出願済みだ。
サービスの提供時期は未定で、KDDIとソフトバンクモバイルとの交渉次第。ただ同社は「W-CDMA系はNTTドコモ、CDMA2000系はスプリント・ネクステルでレイヤー2の接続実績があり、技術面で大きな問題が生じるとは考えにくい。数カ月以内に提供したい」(幹部)としている。日米の携帯電話回線を組み合わせたサービスも計画するほか、KDDIやソフトバンクモバイルだけの回線を用いたサービスもパートナー企業の要望があれば提供する。既存の携帯電話会社にない付加価値サービスの展開で成長を目指す。