写真●SilkPerformer 9.5の画面
写真●SilkPerformer 9.5の画面
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 マイクロフォーカスは2013年3月27日、WebアクセスやDBアクセスなどのC/S(クライアントサーバー型)通信をシミュレートする負荷テストツールの新版「SilkPerformer 9.5」(写真)を発表、同日出荷を開始した。新版では、Webブラウザーの操作をWindows APIを用いることで正確に再現できるようにするなど、いくつかの機能を強化した。

 クライアントのリクエストを模倣した仮想ユーザーからサーバーにリクエスト負荷をかけ、レスポンス(応答時間)を計測する。仮想ユーザー数を段階的に増やしていくことで性能のボトルネックを突き止めら、チューニングやサイジング(容量設計)に利用できる。別途オプションで提供するサーバー性能監視モジュールを併用すれば、より詳細に性能の分析ができる。

 なお、Webリクエストを模倣するやり方としては、SilkPerformerがHTTPクライアントとなって自前でHTTPリクエストを発行するモードのほかに、Internet Explorerなどの実際のWebブラウザーを外部から駆動/操作して実運用環境と同じWebアクセスを発行するブラウザー駆動型のモードがある。ブラウザーを実際に駆動することで、Ajaxを使ったWeb画面もテストできる。

Win APIでJavaScriptよりも正確なWebブラウザー操作を可能に

 今回の新版では、ブラウザー駆動型のテストを強化した。例えば、JavaScriptを用いたWebブラウザー操作に加えて、WindowsのネイティブAPIによる操作ができるようになった。スクリプトの中に現れるクリック/ダブルクリックやテキスト入力、マウス移動などの関数を、ネイティブAPIに変換して実行する。これにより、以前は操作できなかったjQueryの一部操作が再生できるようになるなど、入力操作を正確に再現できるようになった。

 SilkPerformerは、模倣可能なプロトコルに応じて、(1)「Web VU」、(2)「Standard VU」、(3)「Premium VU」の3エディションを用意している。(1)のWeb VUは、模倣する対象をWebアクセスに限定した下位版。(2)のStandard VUはWeb VUの上位版で、DBアクセスを含めた各種のC/S通信を模倣する。(3)のPremium VUはStandard VUの上位版で、独SAPや米Oracleの業務アプリケーションや米Citrix Systemsの画面情報端末などを模倣する。

 最小構成である仮想50ユーザー時の価格(税別)は、Web VUが312万円、Standard VUが390万円、Premium VUが468万円。

 稼働OSは、本体(管理サーバー)とエージェント(実際にアクセス負荷をかけるモジュールで、複数のコンピュータに分散配置できる)ともに、Windows XP/Vista/7/8、Windows Server 2003/2008/2012。また、仮想ユーザーをクラウド(Amazon EC2)経由で提供するオプションサービス「SilkPerformer CloudBurst」も用意している。