写真●受賞した学生と主催者代表
写真●受賞した学生と主催者代表
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年3月25日、スマートフォンやタブレット端末向けのアプリ開発コンテスト「HOKKAIDO学生アプリコンテスト2013」の表彰式が行われた(写真)。

 同コンテストは、経済産業省北海道経済産業局と北海道モバイルコンテンツ推進協議会(HMCC)が主催するもので、北海道内の学生が応募できる。開催の狙いは、道内の学生からプログラマーや起業家候補の発掘・育成を図ること。表彰式の冒頭、経済産業省北海道経済産業局長の増山壽一氏は、学生に向け「ソフト開発を通じて、社会に貢献することを期待している」と語った。

 今回受賞したアプリは、優秀賞が「アニメーションを利用した小学生のための楽しい英単語学習アプリ」(公立はこだて未来大学の數原綾華氏)、「AR麻雀システム」(北海道大学大学院の矢田和也氏)の2つ。前者は、英語の語源をアニメーションを使って解き明かすことで英単語を覚えやすくする学習支援アプリ。後者は、AR(拡張現実感)技術を使って、麻雀の手牌から自動的に捨牌を選択してくれるアプリである。前者はiOS、後者はAndroid上で動作する。

 このほか奨励賞として、江別市の魅力を再認識してもらうための「江別まち歩きシリアスゲーム」(斉藤一ゼミナールシリアスゲームプロジェクト)、自身のワードローブからコーディネイトをお薦めしてくれる「ポケクロ」(ミライケータイプロジェクト)、多視点の複数動画を共有するアプリ「多視点録画カメラ」(MASA)が選出された。

 応募作品は合計24作品。審査委員長を務めた、北海道モバイルコンテンツ推進協議会代表で、メディア・マジック代表取締役の里見英樹氏は「予想よりも多くの作品が応募された。数だけでなく、商品化できるほど完成度が高いもの、技術的な裏付けのあるものがあって、質が高いことに驚いた」と応募作品を評した。

 受賞作品のうち、条件が合致する作品については、「ドコモスマートフォンラウンジ札幌」や「KDDIデザイニングスタジオ」で展示される副賞が用意されている。
 

アプリ開発の“先輩”がアプリごとにアドバイス

 今回の表彰式では、特別講演として、GMOインターネット 特命担当の世永玲生氏がヒットアプリを作るための法則を解説した。

 世永氏の講演は、アプリの開発者視点による内容であり、多くのヒットアプリを企画・開発した同氏らしいものだった。例えば、「なぜアプリを作るのかと問われたら、それは自分の欲しいアプリが市場にないからだ」といった具合だ。続いて、ヒットアプリを作るための法則として、「1500円以上払ってでも欲しいものを作れ」「それを250円で売れ」「ホワイト層をなめるな」「企画の作成スピードを倍加するためにぜひ使うべきツール」など具体的なアドバイスを贈った。

 同氏はさらに、受賞作品ごとに良かった点と今後期待したい点をそれぞれ説明した。受賞した学生たちは、世永氏からのアドバイスを食い入るように聞いていた。