IPDCフォーラム(代表:中村伊知哉慶応義塾大学教授、ホームページ)は、IPDCにおける「HLS(MPEG DASH)活用」や、「光回線上での展開」の検討を実施していく方針である。2013年度に、HLS SWGと光SWGという二つのサブWGを新設して、活動する計画だ。

 HLS SWGでは、IPDCのファイル配信機能(FLUTEプログラム)と、HLS(HTTP Live Streaming)あるいはMPEG DASHといったセグメントファイル型映像配信ストリーミング技術を組み合わせて、IPDC環境での高画質な映像配信の可能性を検討する。例えばエリア放送(フルセグ)などでデジタルサイネージなどにリッチなコンテンツを配信することを想定し、高画質動画のストリーミング/ファイル配信(4Kなど)やポスターなどの画像配信を組み合わせるなど、エリア放送の高度化に必要な技術要素の検討を進める。

 光SWGでは、光回線を用いたテレビサービスにIPDC技術を組み合わせることにより可能となる新しいサービスを検討する。例えば、HGWやSTBに実装するための技術や多チャンネル放送に適応した場合の課題、光ファイバーの空き帯域を複数のIPDCサービス(RF伝送)で活用する場合の課題などを検討する。ゴールとして、家庭向け光回線の実験環境を用いたIPDC伝送実験を、外部の実験実施グループと連携して実現することを想定する。

<ケーブル回線経由のIPDC受信も検討>
 このほか、第1作業班でのデジタル放送におけるIPDCの具体的利活用事例の検証、コンテンツの構造化と制御SWG、ライフライン研究会、ブラジル小委員会の四つの活動は継続する。なお、ライフライン研究会では、新たにケーブル放送経由でのIPDC送受信の検討を実施する。

 なお、IPDCフォーラムは2013年度の活動に向けて会員を募集している(案内のページ)。