写真1●CTCの横浜コンピュータセンター(YCC)
写真1●CTCの横浜コンピュータセンター(YCC)
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写真2●YCC北館のサーバールーム
写真2●YCC北館のサーバールーム
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 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2013年3月26日、横浜市都筑区にある「横浜コンピュータセンター(YCC)」に建設中の新棟「北館」を、4月1日に開業すると発表した(写真1)。YCCの北館は延べ床面積が約9300平方メートルで、1000~1200ラックを収納できる。新館の開業によってCTCが運営するデータセンターの総延べ床面積は8万4000平方メートルとなる。

 CTCはYCCを、1987年に開設。当初は延べ床面積が2万2000平方メートルの「東館」だけだったが、2001年に同2万2000平方メートルの「西館」を開業し、今回、同9300平方メートルの北館を新設する。北館は、東館、西館の半分以下の面積だが、1ラック当たりの供給電力を大幅に増やしているため、YCC全体で見たサーバーの収容台数は、北館の新設によって従来の倍以上に増える見通しだ。北館には、4500キロワットの自家発電装置を3台設置予定で(開業時点では2台を設置)、合計で1万3500キロワットの電力が使用可能。1ラック当たりの電力供給は、最大10キロワットを見込んでいる。

 YCCの北館の特徴は、サーバールームを15の区画に分割し、その中の仕様を区画単位で変更できるようにした「スケルトン構造」を採用したこと。現時点で完成しているのは、データセンター建屋の外装や、受電設備、自家発電装置、UPS装置、冷却設備などで、サーバールームの中は写真2のように空洞になっている。空調の方式などは区画単位で変更可能で、冷気を床から吹き上げる「床吹空調」と、冷気を天井から吹き下ろす「天吊空調」のいずれかを選択できる。

 CTCがデータセンターを新設するのは、2008年に都心に開設した「目白坂データセンター」(延べ床面積6200平方メートル)以来。過去10年ほどは、顧客がネットワーク環境の良い都心にあるデータセンターを選ぶ傾向にあったが、最近になって郊外でも高速なネットワークを利用できるようになったことから、横浜のデータセンターを増設したとしている。YCCの北館は、4年間での満床を目指している。

■変更履歴
第2段落で「1サーバー当たり」としていましたが、正しくは「1ラック当たり」です。同じく第2段落で「サーバー1ラック当たり」としていましたが、正しくは「1ラック当たり」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/3/27 11:15]