NTTと三菱電機、ならびにKDDIとKDDI研究所は2013年3月26日、それぞれが開発した暗号技術「Camellia」(カメリア)と「KCipher-2」(ケーサイファー・ツー)が、CRYPTRECの「電子政府推奨暗号リスト」に選ばれたと発表した。欧米発の暗号技術が大半を占めるなか、安全性や利用実績などが評価された。

 CRYPTRECとは、電子政府推奨暗号技術の安全性を評価・監視し、適切な実装方法と運用方法を調査・検討するプロジェクト。総務省と経済産業省が共同運営する暗号技術検討会と、情報通信研究機構(NICT)、情報処理推進機構(IPA)が共同運営する関連委員会で構成する。CRYPTRECは2003年に「電子政府推奨暗号リスト」を公開しており、電子政府の調達や民間における評価基準に使われてきた。

 CRYPTRECは今回、同リスト策定から10年が経過したことを受け、安全性や利用実績などを再評価。新たに「電子政府における調達のために参照すべき暗号リスト(CRYPTREC暗号リスト)」として改訂版を公表した。CRYPTREC暗号リストは3つのリストで構成し、このうち、CamelliaとKCipher-2は最も評価が高い「電子政府推奨暗号リスト」に選ばれた。Camelliaは2003年に続いて2回目、KCipher-2は今回が初めてのリスト入りとなる。

 Camelliaは、NTTと三菱電機が2000年に共同開発したブロック暗号。暗号/復号の処理が同一手順で、ICカードなどメモリー容量が制限された環境や小型ハードウエアへの実装に有利という。KDDI研究所と九州大学が共同で設計、KDDI研究所が開発したストリーム暗号のKCipher-2も高速・軽量が特長。AESに比べて最大10倍の速さで暗号/復号の処理が可能とする。