富士通は2013年3月26日、シンガポール科学技術庁(Agency for Science,Technology and Research 以下、A*STAR)と、ビッグデータを活用したソリューションを生み出すための研究組織の設立に向けて、基本合意したと発表した。4月に共同研究テーマを設定するための、一回目のワークショップを開催。2013年12月までに、研究組織本体の運営を開始する。

 具体的には、ビッグデータや高性能計算などを活用し、都市開発に関するソリューションを研究する組織を設立。交通渋滞の予測や最適な交通網整備を目的とした交通量マネジメント、供給量と消費量の分析に基づいたエネルギー効率化、消費者の行動・生活スタイルなどをリアルタイムで処理するシステムやメソッドの開発、都市のグリーン化、災害の最小化、新規ビジネス創出などについて、シンガポールでの活用を目的としたソリューションの研究開発を行う。

 共同研究の役割分担は、A*STARの関連組織であるInstitute of High Performance Computingが、シンガポールの関連機関から得られるライブデータを高性能計算で分析する技術を提供。富士通は、これまでの実績で培ったビッグデータ活用に関するノウハウとコンピュータシミュレーション技術を提供する。

 また、富士通とA*STARのほか、シンガポール国立大学、シンガポール国立研究財団、富士通研究所も共同研究に参加する。