電気通信事業者協会(TCA)とNTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンクモバイルの携帯電話事業者4社は2013年3月25日、「災害用音声お届けサービス」の相互利用を4月1日から開始すると発表した。

 災害用音声お届けサービスは、災害用伝言板と同じく震度6弱以上の地震などの大規模災害発生時に運用するサービスである。ユーザーは音声通話がつながりにくくなった状況でも、テキストではなく音声で相手の安否確認ができる。また、サービス利用が促進されれば、電話網以外にもトラフィックが負荷分散され、緊急通報などの重要通信を確保しやすくなる利点がある。

 総務省は、2011年12月28日に公表した「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方-最終取りまとめ-」において、電話網のふくそうを軽減する観点から、異なる事業者のユーザー間でも音声メッセージを送受信できるように早期に対応することが適当としていた。今回の相互利用の開始は、これに対応してTCAを仲介に4事業者が相互利用に合意したことで開始する。

 使い方は、対応端末で送信したい相手の電話番号を指定し、音声メッセージを録音する。すると、端末側で音声がファイル化され、パケット通信網経由でサーバーに保存される。指定した相手には、音声メッセージが届いたことがSMSで通知されるという仕組みになっている。

 4社は、2013年4月1日に実施予定の「体験サービス」から相互利用を開始する。また、毎月1日と15日、正月三が日、防災とボランティア週間(1月15日~1月21日)、防災週間(8月30日~9月5日)にも、体験サービスを提供する。

 なお、今回の相互利用に参加しなかったイー・モバイル、ウィルコムは、自社ユーザー向けの災害用音声お届けサービスの提供に向けて準備を進めているとしており、他事業者との相互利用についても前向きに検討するとしている。

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