米Barnes & Nobleの子会社NOOK Mediaは現地時間2013年3月22日、タブレット端末を1台購入すると、電子書籍端末を1台無料で提供するキャンペーンを始めると発表した。期間は同月24日から31日までと1週間ほどだが、全米約700のBarnes & Noble書店と数百の大学内書店、自社オンラインストアのほか、米Wal-Mart Stores、米Target、米Best Buyといった小売チェーンでも実施するとしており、大規模なキャンペーンになる。

 対象となるのは2012年10月に発売した、価格が269ドルからの9インチ型タブレット「NOOK HD+」(関連記事:Barnes & Nobleが7インチと9インチHDタブレットを発表、「Kindle Fire HD」に対抗)。消費者はこれを購入すると、6インチ型タッチ式E Inkディスプレイ搭載の電子書籍端末「NOOK Simple Touch」がもらえるという。NOOK Simple Touchは2011年6月に発売した製品。価格は当初99ドルだったが2012年12月に79ドルに値下げしている。

 同社は、タブレット端末の購入者に50ドル分のギフトカードを提供したり、毎週金曜日に有料アプリケーションを無料提供したりして販売促進を図っているが、今回のキャンペーンはそれらをさらに進めたものになる。

 米IDCが先ごろ公表した世界タブレット端末市場調査によると、2012年第4四半期(10~12月)におけるNOOK HDの出荷台数は100万台で、前年同期から27.7%減少し、シェアも4.6%から1.9%に低下するなど苦戦している(関連記事:2012年Q4の世界タブレット出荷は過去最高の5250万台 、Appleはさらにシェア低下)。

 米メディア(ForbesCNET)は今回のキャンペーンについて、目的は在庫減らしとも考えられると伝えている。同社がハードウエア事業から撤退するという観測が流れており、今回のキャンペーンは、何か大きな動きに向けた前兆である可能性があるとしている。

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