株式の非公開化計画を発表した米Dellに対し、投資会社の米Blackstone Groupと著名投資家のCarl Icahn氏がDellに買収の意向を伝えたと、複数の米メディア(New York TimesWall Street JournalBusinessweekなど)が報じた。

 Dellは2013年2月5日、同社設立者で最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏とプライベートエクイティ会社の米Silver Lake Partnersを中心とする企業連合が同社をレバレッジドバイアウト(LBO)方式で買収し、非公開化することで最終合意したことを発表した。米Microsoftも出資する(関連記事:Dell、約244億ドルで株式非公開化へ、Microsoftが20億ドルを融資)。買収総額は約244億ドルで、Dellの株主は普通株1株につき現金13.65ドルを受け取る(関連記事:Dell、約244億ドルで株式非公開化へ、Microsoftが20億ドルを融資)。

 これに対し一部株主は「著しい過小評価」と不満を露わにした。Icahn氏はDellの株式を大量購入し、大株主として同計画に抗議していた(関連記事:Dell、Icahn氏に情報開示へ、秘密保持契約を締結)。

 米メディアの報道によると、BlackstoneとIcahn氏がDell取締役会の特別委員会に買収を提案したのは3月22日の夜。この日は、Dellがより有利な条件の買い手が名乗り出ないか確認する猶予期間(go-shop期間)の期限だった。

 Blackstoneは、米Francisco Partnersおよび米Insight Venture Partnersと協力して、Dellの株式を1株13.65~15ドルで買い取ることを提案。一方Icahn氏は、Dell株式の58%を15ドルで購入する意思を示したという。

 なお、go-shop期間内の提案をDellが選んだ場合、Michael Dell氏やSilver Lakeに支払う違約金は1億8000万ドル、go-shop期間を過ぎてからの提案では違約金は4億5000万ドルとなる。