写真1●ルクサが運営するECサイト「LUXA」の画面。クーポンやブランド品を時間限定で販売する
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写真2●ルクサの南壮一郎代表取締役会長
写真2●ルクサの南壮一郎代表取締役会長
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 タイムセール型ECサイトの「LUXA」(写真1)を運営するルクサ(東京都渋谷区)は2013年3月21日、野村証券系ベンチャーキャピタル(VC)のジャフコが運用するVCファンド(ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合)から5億円の出資を受けたことを発表した。3月19日付けで、ルクサがファンドに対する第三者割当増資を実施した。

 ルクサの創業は2010年8月で従業員数は約50人。売上高は非公表だが、直近の月商は1億円前後とみられる。ルクサは2010年11月にもジャフコのVCファンドから5億円を調達している。この規模の非上場企業が短期間のうちに合計10億円を調達したのは異例のことだ。

ブランド品販売で先行企業と一線

 ジャフコのファンド運用担当者は「ルクサは、消費者が欲しい商品を探す従来型のECサイトとは異なり、欲しくなる商品を提案する新たなモデルを作った。この分野でトップ企業になれる可能性があると考え、投資を実行した」と説明する。

 ルクサの事業は共同購入型クーポンサイトと比較されることが多い。この分野ではリクルートライフスタイルの「ポンパレ」、グルーポン・ジャパンの「GROUPON」に続く3番手グループに当たる。

 ただ、ルクサはクーポン以外にも商品の仕入れ販売を手掛けており、この点が先行企業とは大きく異なる。南壮一郎・代表取締役会長(写真2)は「これまでにはない『プレミアム・アウトレット』型ECサイトのビジネスモデルを確立したい」と説明する。

 ルクサは一流メーカーや高級ブランドのアウトレット品(在庫処分品など)を格安で販売している。ルクサのWebサイトを見ると、大手メーカーの化粧品からデジタルカメラ・パソコンまで幅広く品ぞろえしているのが分かる。

 実店舗のアウトレットモールは都市部から離れた郊外に立地することで、都市部での値崩れを防いでいる。ネットでは場所の制約がないため、ルクサは3~7日程度に販売期間を限定するタイムセール形式を取る。販売が終了したら価格情報などは完全に削除。仕入れ先にとっては、既存販売ルートの値崩れにつながらない安心感があり、商品を持ち込みやすい。