日本民間放送連盟(民放連)は2013年3月22日、マスメディア集中排除原則の緩和に関する要望をとりまとめて、同日に新藤義孝総務大臣に提出したと発表した。

 具体的には、民放ネットワーク全体としての経営基盤の強化やグループ経営の効率化・強化などの観点から、認定放送持株会社が子会社とし得る地上放送事業者数の上限(現行は合計12地域以下)の緩和を要望した。さらに認定放送持株会社が子会社とし得る「BS放送のトラポン数(同0.5以下)」と「東経110度CS放送のトラポン数(同2以下)」の上限緩和も盛り込んだ。

 地上ラジオ放送(コミュニティ放送を除く)については、マスメディア集中排除原則(議決権保有比率規制と役員兼務規制)の適用除外を要望した。「地上ラジオ放送を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあり、さらに経営の選択肢を拡大するために、さらなる緩和が望ましい」とした。

 地上テレビ放送に関する要望としては、(1)放送対象地域が重複する場合の議決権保有比率規制を現行の「10分の1まで議決権保有可能」から緩和、(2)放送対象地域が重複しない場合の議決権保有比率規制を現行の「33.33333%まで議決権保有可能」から「2分の1まで議決権保有可能」にする――を挙げた。

 さらに地上テレビ放送と地上ラジオ放送の共通の要望として、コミュニティ放送の合併・兼営を可能にすることを盛り込んだ。「民放連はコミュニティ放送制度の導入時から、既存民放事業者がコミュニティ放送に参入できるよう要望してきた」としたうえで、「例えば、同一地域内の県域(広域)局とコミュニティ放送が常日ごろから密接に連携することによって、緊急災害時の対応を強化する効果が期待できる」という見方を示した。

 このほかに地上テレビ放送とBS放送の役員規制の緩和や、認定放送持株会社の資産要件の緩和なども盛り込んだ。さらに今後の検討課題として、「地上テレビ放送とBS放送の合併・兼営」「代表役員と常勤役員の兼務規制の撤廃・緩和」を挙げた。

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