図 アジア・メディア・ネットワーク構想の事業体制
図 アジア・メディア・ネットワーク構想の事業体制
[画像のクリックで拡大表示]

 フジ・メディア・ ホールディングスと伊藤忠商事は2013年3月22日、エフ・アイ・メディア企画(FIM、2012年11月に共同で設立)を通じ、アジア各国におけるテレビ番組を核とした新規事業構想である「アジア・メディア・ネットワーク構想」の事業化調査を共同で行うことで合意したと発表した。

 まずは共同事業展開の第1ステップとして、「音楽権利ビジネス」と「テレビ通販事業」の2分野で番組制作を行い、4カ国(台湾、韓国、タイ、インドネシア)の五つのメディアグループやテレビ局と業務提携を結ぶ(図)。2013年4月には日本のフジテレビを含めた各国での放送開始を予定する。

 音楽権利ビジネスについては、日本、台湾、韓国、インドネシアで、アジアの歌手たちのオリジナル楽曲をプロデュースする番組「ASIA VERSUS(アジア・ヴァーサス)」を制作し、各国の地上波や音楽専門チャンネルで放送する。番組から生まれた楽曲の音楽出版権によるビジネス展開を見込む。

 テレビ通販事業については、日本、台湾、タイで各国の文化・言語に対応したオリジナルのショッピング番組「ASIA SHOPPING KING(アジア・ショッピング・キング)」を制作する。日本ではフジテレビで、アジア各国ではショッピング専門チャンネルで放送する。またこれらの事業においては、独自のWebサイトを構築し、SNSを活用したコミュニティの形成やネット経由での商品販売なども行う。

 番組制作は高いコンテンツ制作力を持つ日本側ですべて担当し(フジテレビ湾岸スタジオにて収録)、あらかじめ出演者や音楽の著作権処理を行ったうえで、各国の放送に備える。「この案件はクールジャパン戦略にも沿ったプロジェクトであり、さらなる事業推進も期待できる」としている。

 なおFIMにはフジ・メディア・ホールディングスと伊藤忠商事が50%ずつ出資した。資本金は4000万円で、代表者は金光修氏(フジ・メディア・ホールディングス執行役員兼務)と梶原浩氏(伊藤忠商事 住生活・情報カンパニー兼務)が務める。

[ 伊藤忠商事の発表資料へ]