写真●マルチプロトコルコンバータの外観
写真●マルチプロトコルコンバータの外観
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 日立ソリューションズは2013年3月22日、全銀手順やJCA手順などのレガシー手順を、より一般的なTCP/IPベースの手順に変換するゲートウエイ装置「マルチプロトコルコンバータ」(写真)の後継機を発表した。3月25日に販売開始する。従来機と比べ、通信速度、処理性能、可用性をそれぞれ高めた。

 BSCをベースとするレガシー手順を使い続けながら、取引先との間でTCP/IPで情報をやり取りできるようにする。通信ポートとして、シリアルポート×2個とLANポート(100BASE-TX)×2個を備える。レガシー手順はシリアルポートで入出力し、TCP/IPはシリアルポートまたはLANポートで入出力する。

 用途に応じて、全銀手順と全銀TCP/IP手順の相互変換(BSCとTCP/IPの変換)に特化した下位製品「PCNV20Z」と、全銀手順に加えてJCA手順を扱える上位製品「PCNV20T」の2つを用意した。さらに、それぞれの製品は、搭載するシリアルポートの組み合わせに応じて、V.24(RS-232C)×2、X.21(RS-442)×1とV.24×1、X.21×2、の3パターンのモデルを用意した。

 今回の後継機では、シリアル通信の速度を、従来の最大64kビット/秒から最大1.5Mビット/秒へと高めた。また、搭載メモリー容量を2Mバイトから32Mバイトに高めたことによって、計算処理速度を10%向上させた。さらに、搭載するLANポートの数を1個から2個に増やしたことで、故障/障害時におけるLANアダプター/LAN回線の可用性を高めた。

 価格(税込み)は、全銀接続専用の場合、V.24×2ポート搭載モデルが36万5400円、X.21×1ポートとV.24×1ポート搭載モデルが42万6300円、X.21×2ポート搭載モデルが48万7200円。全銀手順/JCA手順兼用の場合、V.24×2ポート搭載モデルが52万5000円、X.21×1ポートとV.24×1ポート搭載モデルが59万8500円、X.21×2ポート搭載モデルが67万2000円。

 主に金融機関に向けて販売する。販売目標は、2015年度までに5億円。全銀手順とJCA手順以外のレガシー手順については、個別で対応する。なお、2013年6月からはターミナルアダプタ機能を内蔵した製品を販売する。