キヤノンは2012年3月21日、入門者向けデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss」シリーズに、小型軽量の新製品「EOS Kiss X7」を投入すると発表した。APS-Cサイズの撮像素子を搭載するレンズ交換式デジタル一眼レフカメラのボディーとしては、世界最小・最軽量をうたう。価格はオープンだ。
X7は「大きさや重さを理由に、一眼レフを購入しなかった女性や中高年層をターゲットにした製品」(キヤノン)だ。ボディーのサイズは幅116.8×奥行き69.4×高さ90.7mmで、重さは407g。2012年6月に発売した現行の「同 X6i」が、幅133.1×奥行き78.8×高さ99.8mmで、本体質量が575gであることと比較すると、一回りほど小さくなっている。
撮像素子であるCMOSイメージセンサー(有効1800万画素)の中央部分が位相差センサーとして働く「ハイブリッド CMOS AFII」を採用。従来の「ハイブリッド CMOS AF」と比べて測距エリアが広く、被写体をライブビュー画面の中央で追わなくても、高速にピントが合うようになった。動画撮影時でも、動く被写体にピントを合わせ続けることができる。
家族写真の撮影を想定し、3つのシーンモードを追加した。「キッズ」は、シャッター速度を速め、肌色を健康的な色に仕上げるモード。「料理」モードでは料理写真を明るく鮮やかに仕上げ、「キャンドルライト」モードではストロボが発光せず、ろうそくの明るさを生かして撮影できる。
ほかにも、エントリーユーザー向けの機能が豊富。「エフェクトショット」機能を使えば、通常の写真と、「モノクロ」や「水彩風」「魚眼風」といった効果を施した写真を、一度の撮影で同時に2枚残すことができる。プレビュー画面を見ながら、被写界深度を確認できる「ぼかしシミュレーション」機能も付属する。
X7のボディーの予想実勢価格はX7は8万円。併せて、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM レンズキット」(実勢価格約9万円)、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM、EF-S55-250mm F4-5.6 IS II ダブルズームキット」(実勢価格約12万円)の2種類のレンズキットを発売する。
キヤノンは、X7のワンランク上にあたる「EOS Kiss X7i」も4月下旬に発売する。これはX6iの後継機。小型軽量のX7は、液晶モニターが固定式で、連写速度は毎秒4コマ、内蔵モノラルマイクを搭載。測距点は9点あり、中央1点のみがクロス測距(縦横線同時検出)に対応する。これに対し、X7iは、前後・左右に回転するバリアングル式の液晶モニターを採用。連写速度は毎秒5コマとX7に比べて速く、内蔵ステレオマイクを搭載する。測距点は9点全てがクロス測距に対応する。本体の実勢価格は、X7より1万円高い約9万円になる見込みだ。「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM レンズキット」(実勢価格約10万円)と、「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM レンズキット」(実勢価格約13万円)の2種類のレンズキットを発売する。