写真●日本通信の「スマホ電話SIM for LTE」
写真●日本通信の「スマホ電話SIM for LTE」
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 日本通信とインターネットイニシアティブ(IIJ)の2社は2013年3月21日、MVNO(仮想移動体通信事業者)としてNTTドコモの携帯電話回線を借りて展開する自社サービスを、それぞれ拡充すると発表した。2013年に入ってジェーシービー(JCB)や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が新規参入するなど、MVNO間の競争が激しくなってきた。

 日本通信は、音声通話が中心でデータ通信もオプション契約できるSIMカード「スマホ電話SIM for LTE」(写真)の販売を始めた。昨年から提供している3G版では音声通話の基本料が月1290円から(プランSの場合、1365円の無料通話分が付属)となっていたが、今回提供のLTE版では無料通話分なしで月1080円とした。国内の通話料は21円/30秒、SMSの送信料は3.15円/通である。

 データ通信のオプションは3種類。料金は、(1)速度が上り下りとも150kビット/秒に制限される「月額定額980」が月980円、(2)速度制限なしで月1Gバイトまで通信できる「月額定額1980」が月1980円、(3)同じく月2Gバイトまで通信できる「月額定額2980」が月2980円――である。(2)と(3)は、通信量超過時に速度が上り下りとも150kビット/秒に制限される。

 つまり(1)を選んで音声通話(発信)がなければ、スマートフォンを月2060円で運用できる。同社のオンラインストアをはじめ、アマゾンジャパンの「Amazon.co.jp」、ヨドバシカメラの全店舗ならびに「ヨドバシ・ドット・コム」で販売し、22日から順次出荷を始める。SIMカードは「標準SIM」「マイクロSIM」「ナノSIM」の3種類で、パッケージの料金は3150円(初期手数料を含む)。

使い切らなかった通信量を翌月末まで繰り越せる

 一方のIIJは、個人向けデータ通信サービス「IIJmio高速モバイル/Dサービス」の仕様を4月1日から拡充する。まず、「ライトスタートプラン」と「ファミリーシェアプラン」(現在の名称はファミリーシェア1GBプラン)で設定している毎月の通信量(1Gバイト)をユーザーが使い切らなかった場合は、翌月末まで繰り越せるようにする。同様に通信量の追加で購入したクーポンも繰り越し対象になる。

 さらに、「ミニマムスタートプラン」(現在の名称はミニマムスタート128プラン)の通信速度、ならびに「ライトスタートプラン」と「ファミリーシェアプラン」で1Gバイトの通信量を超過した際の制限速度をそれぞれ、現行の128kビット/秒から200kビット/秒に強化する。

 このほか、IIJmioのサービスサイトまたは専用アプリ(まずAndroid向けに提供予定)で高速通信と低速通信を任意に切り替えられる機能を提供。通信量の繰り越しと組み合わせることにより、ユーザーが効率よく使えるようにしていく。