富士通、富士通総研、富士通システムズ・ウエストの3社は2013年3月21日、顧客企業のサプライチェーン管理(SCM)における事業継続計画(BCP)の実効性を評価するクラウドサービスを発表した。トヨタ自動車向けに開発したシステムをベースに、一般向けのクラウドサービスとして提供する。富士通によると同種のサービスは業界初で、2015年度末までに30億円の売り上げを目指す。

 新サービスは「サプライチェーンリスク管理サービス SCRKeeper」の名称で2013年4月1日に提供を始める。利用料金は月額30万円から。特徴はサプライチェーンを構成する調達先の企業自身が、自社の被災状況などをWeb経由で入力すること。そうした情報を積み重ねることで、サプライチェーン全体を見渡した状況が把握できるようになる。

 地震などの大規模災害での対応を想定しており、大きく分けて二つの活用方法がある。一つが平時や災害発生後、取引先の工場などサプライチェーンの維持に不可欠な設備の被害や復旧可能時間を推定する機能だ。地震であれば震度の情報や公的機関が提供する危険箇所情報などのデータから推測する。

 もう一つが災害発生後に、取引先の情報を効率的に集約する機能だ。取引先の担当者にクラウド経由で被災や稼働の情報を入力してもらう。さらに取引先の取引先にも入力してもらうことでサプライチェーン全体の状況を把握。代替調達が必要か、代替先はどこにするべきかといった判断ができる。