写真1●「HP Smartキャッシュ」の概要
写真1●「HP Smartキャッシュ」の概要
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写真2●発表会で行われたデモの様子。220Mバイト/秒近い速度を表示している。HP Smartキャッシュ利用前は40M~50Mバイト/秒程度のスピードだった。
写真2●発表会で行われたデモの様子。220Mバイト/秒近い速度を表示している。HP Smartキャッシュ利用前は40M~50Mバイト/秒程度のスピードだった。
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 日本ヒューレット・パッカードは3月21日、主に中小規模のシステム向けに新機能「HP Smartキャッシュ」の提供を開始した。SSD(フラッシュ・メモリー・ドライブ)をキャッシュ領域として活用し、データ容量の増大によるディスクI/Oの性能ボトルネックを改善する(写真1)。
 
 ビッグデータが普及し、データ容量が急激に増加する中で、ディスクI/O性能がデータ処理のボトルネックとなるケースが増えつつある。この解消策の一つとして、フラッシュストレージの採用が挙げられるが、ハードディスクドライブ(HDD)と比較するとコスト負担が大きい。同社の試算では、SSDで代替えすると、約4倍の性能アップを実現するのに8割程度の追加投資が必要となる。

 そこで「HP ProLiantサーバー Gen8のアレイコントローラーの機能を拡張して、少ない追加投資でディスクI/O性能を大幅に向上する」(日本HPインダストリースタンダードサーバー製品企画部の中井大士部長)新機能を提供開始した。同社の試算によると、3.5倍の機能向上を実現するために、6%程度の追加投資で済むという(写真2)。1サーバーに対して、最小1本、最大32本のSSDをキャッシュ領域として割り当てることが可能。

 具体的には、アレイコントローラーに接続されるドライブに、キャッシュ専用の領域を設け、アクセス頻度の高いデータを自動的にキャッシュする。HP Smart Algorithmという分析エンジンを活用し、同一データへのアクセス頻度だけでなく、データ間の関連性もチェックして傾向を分析する。

 価格は、1サーバーライセンスが3万450円(「HP Smartアレイコントローラー P420/P420i/P421」に機能を追加する場合)。「SAAP2.0」「HP Smartアレイコントローラー P822/P721m」のユーザーは、ファームウエアをアップデートすれば無償で利用できる。