総務省は、各省庁の情報システムを集約させる仮想化基盤「政府共通プラットフォーム」の運用を2013年3月18日に始めたと発表した。

 2009年に政府のIT戦略本部が掲げた「霞が関クラウド」構想を具体化したものである(関連記事:霞が関クラウド・自治体クラウドとは)。都内にある民間のデータセンターを賃借して仮想化基盤を構築し、これまで各省庁が独自に運用していた情報システムを段階的に移行させる。これにより、運用コストの削減やセキュリティの強化が見込めるという。将来は拠点の分散化も行う。

 3月18日の時点で、省庁内で情報システムの研修に使うeラーニング基盤など、5つのシステムがテスト稼働している。今後1~2年のうちに、府省共通の電子調達システム、文書管理システム、旅費システム、人事・給与システムなどを同プラットフォーム上で稼働させる考え。総務省は各省庁と協議の上、2016年度までに50のシステムを移行させたいとする。

 この共通プラットフォームは仮想化基盤に加え、OS、ミドルウエア、利用者認証や決裁、セキュリティといった共通機能を提供する。仮想化基盤にはVMWareを採用したほか、OSはWindows Server、Red Hat Linux、Solarisを、ミドルウエアは各種アプリケーションサーバー、データベースサーバーなどを提供する。