写真●日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏
写真●日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年3月18日、レイヤー3スイッチの新モデル「HP 2920-24G/48G」と、ネットワーク統合管理ソフトウエアの新バージョン「HP Intelligent Management Center v5.2」(HP IMC 5.2)を発表した。SDN(Software-Defined Network)やBYOD(Bring Your Own Device)に対応するインフラ構築に向けた製品となる。

 HP 2920-24G/48Gは、10G BASE-TとOpenFlow 1.0に対応したスイッチで、中小規模オフィスのコアスイッチやディストリビューションスイッチ用途に適したモデルである。拡張モジュールで10G BASE-Tを最大4ポート搭載できるほか、別売のスタック専用モジュールとケーブルを使用すれば同スイッチを最大4台までプラグ&プレイでスタック接続できる。

 日本HP サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部の尾崎亨氏は、「OpenFlowを実装するには追加ライセンスが必要なケースがほとんどで、コストが障壁になることもあった。HP製品群ではOpenFlow対応ファームウェアを無償提供している」と述べ、「OpenFlowを10G接続で最も安価に利用できるのはHP 2920だ」とした。

 管理ソフトウエアのHP IMC 5.2は、これまで管理デバイス数が最大200デバイスの「Enterprise」と、同100デバイスの「Standard」の2バージョンを提供していた。新バージョンでは、新たに小規模ネットワーク向け「BASIC」と無線LAN対応の「BASIC WLAN」を追加する。BASICでは有線LANが最大50デバイス、BASIC WLANは有線デバイスと無線デバイスがそれぞれ最大50デバイスまで管理できる。

 また日本HPでは、BYODインフラを迅速に構築するためのソリューションとして、HP IMCと、OSやデータベースなど必要なモジュールをあらかじめ組み込んだ仮想アプライアンス製品「IMC Smart Connect」および、同製品を無線LANにも対応した「IMC Smart Connect WLAN」の2製品を同時に発表している。

 ガートナーが2月に発表したデータセンターネットワーク市場のマジッククアドラントで、HPはビジョンはあるが実行力が不足しているという位置づけになっている。これに対し、日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長の宮本義敬氏(写真)は、「SDNの登場で、2013年はネットワーク業界の分岐点になる。ネットワーク製品とサーバーを同一ベンダーから購入したいというユーザーも増えており、それがHPのネットワーク事業の成長にもつながっている」として、今後は同市場でリーダーポジションを狙うと述べた。