東京証券取引所が上場企業に対して、決算情報など「適時開示情報」(画面)に関するWebサイトでの情報開示体制について問う緊急アンケートを実施していることが、ITproの取材で分かった。
日本経済新聞などが「一部上場企業のWebサイトに公開前の決算情報ファイルが置かれ、投資家がこれを閲覧したうえで売買取引をして利益を上げていた」と報じている。これを受けて、東証は上場企業のセキュリティ管理体制を確認し、証券市場の公正さを維持する狙いがあるとみられる。
ITproの取材によると、2013年3月12日に東証から上場企業へとアンケート回答依頼が送付された。原則として、ネットを通じて入力・回答する仕組み。3月26日までの回答を求めている。
「公開ディレクトリー」の運用問う
質問項目は主に4つ。要旨は以下の通りである。
「1.会社情報に関する適時開示資料や適時開示資料と同様の内容のプレスリリース等について、自社のWebサイト等(外部委託先を含む)に掲載しているか」
「2.公表資料を、公表予定時刻より前に『公開ディレクトリー』(Webサーバー内のディレクトリー・フォルダーのうちインターネット経由で外部からアクセス可能なディレクトリー)に保存する運用を行っているか」
「3.『公開ディレクトリー』に公表資料を保存している場合、トップページなど他ページにリンクを掲載していなくても、URL(アドレス)を推測・探知するなどしてアクセスすることで外部者による閲覧が可能である。このことを認識したうえで、公表予定時刻より前に外部者が閲覧できないようにするため、何らかのアクセス制御をしているか」
「4.『公開ディレクトリー』に対してアクセス制御を行っていない場合は、公表予定時刻より前に外部者が閲覧することができないよう、そもそも公表予定時刻前には公開ディレクトリーに公表資料を保存しないか、ユーザー認証やパスワードによるアクセス制御を行うといった対策を至急実施する必要がある。こうした対策について検討しているか。今後の実施予定はどうなっているか」