図 受信確認テストの実施スケジュール
図 受信確認テストの実施スケジュール
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 日本放送協会(NHK)と民放キー局5社(日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョン)は2013年3月14日の会見で、東京タワーから東京スカイツリーへの送信所移転に向けた3月後半の取り組みについて発表した。説明は前回に引き続き、NHK 経営企画局 デジタル推進専任部長の元橋圭哉氏と、TBSテレビ 社長室 担当局長の井川泉氏が行った。

 東京スカイツリーに送信所を移転しても大部分の世帯では従来通り受信ができるが、一部の世帯では受信対策が必要になる。東京スカイツリーからの電波を受信できるかどうかをより多くの視聴者に確認してもらうため、2013年3月16日からさまざまな曜日や時間帯で、最長1時間の受信確認テストを実施する(図)。通常の番組を放送している途中で、7波の放送を東京タワーの送信から東京スカイツリーの送信に切り替えて、受信状況を確認してもらう。切り替え前後には、L字表示などを用いて、受信確認の説明や問い合わせ先の案内を行う。予約録画での受信確認も可能という。

 受信確認テストの実施時間は、例えば3月23日は午前10時から11時までの1時間、3月31日は午後8時から9時までの1時間である。今回はゴールデンタイムを含める形で行う。

 受信障害が発生する世帯は、受信確認テストが終了するまでの間、画面が真っ黒になったりブロックノイズが発生し、通常の状態で番組を視聴できなくなる。TBSテレビの井川氏は「受信障害が発生する世帯でも数分後に通常画面に戻ってしまうのでは、受信相談窓口に電話をするのはまた今度にしよう、という人が出てしまう。あえてこの時間帯で1時間にわたりテストを行うことにした」と説明した。NHKの元橋氏は、「ご不便をかけることになるが、受信障害対策は早めに行う必要がある。このためやむを得ず実施することにした」と述べた。

 毎週土曜日早朝の受信確認テストも3月中は引き続き実施する。放送時間は午前4時58分から午前5時までである。

 今回の会見では、これまでの相談件数や対策が必要と判明した世帯数(要対策世帯数)も報告した。相談件数は2013年3月13日時点で6万8767件、要対策世帯数は2万4837件である。最終的な要対策世帯数の見込みについて元橋氏は、「精査している段階であり、現時点で申し上げられない」としたうえで、現時点の見立てとして「10万件は超えないのではないか」と述べた。

 3月後半に最長1時間の受信確認テストを実施することで、コールセンターに電話が殺到することが見込まれる。これについて井川氏は、「この時間帯にこの規模のテストをするので対策をしてほしいとコールセンターにお願いはしている」とした。そのうえで、「これまでの傾向を見ると、テスト終了後2時間ぐらいは電話が込み合う。このため繰り返し電話をしたり、時間をずらしたりすることを新聞広告などでお願いしていく」とした。