写真●米イプスイッチ(Ipswitch)でインターナショナルセールス事業担当副社長を務めるアレサンドロ・ポッロ(Alessandro Porro)氏
写真●米イプスイッチ(Ipswitch)でインターナショナルセールス事業担当副社長を務めるアレサンドロ・ポッロ(Alessandro Porro)氏
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 米イプスイッチ(Ipswitch)の日本法人であるIpswitch Japan(関連記事)は2013年3月12日、SMNPマネージャー機能を中核としたネットワーク監視ソフト「WhatsUp Gold v16」(関連記事)の機能を拡張するプラグインの新製品として、米Oracleや独SAPなどの業務アプリケーションの稼働状況を監視できるようにする「WhatsUp Application Performance Monitor」(APM)を発表、同日販売を開始した。価格(税別)は、20万6500円から。

 前提となるWhatsUp Goldは、簡単に導入/運用できることを追求したネットワーク監視ソフトである。SNMP/WMIで監視情報を一元的に収集/管理する単一の管理サーバーソフトと、ネットワークの各所に分散配置して監視対象サーバーのレスポンス時間をポーリング調査するソフトで構成する。価格(税別)は、管理デバイス25台の場合、下位エディションが22万3300円から、WMI監視が可能な上位エディションが30万7300円から、など。

 WhatsUp Goldは、必要に応じてプラグインを追加することで、機能を拡張できる。プラグインの例として、VMware環境の情報を収集/管理、ネットワークトラフィック分析、ネットワーク機器の変更管理/構成管理、VoIP向けのQoS測定---、などがある。これらの情報を単一のWeb画面上にダッシュボード状に表示できる。なお、今回のAPMはプラグインとしては8種類目に相当する。稼働環境としてWhatsUp Goldが必要になる。

 APMを使わない場合、WhatsUp Gold単体では、アプリケーションの視点に立って稼働状況や性能を監視できる業務アプリケーション/ミドルウエアは、ごく一部に限られる。具体的には、Exchange ServerとSQL Serverの二つのアプリケーションしか監視できないという(いずれもWMIで情報を取得する)。

 一方、APMを適用すると、SNMP/WMIとレスポンスのポーリングという基本的な仕組みは変わらないが、任意のアプリケーションの稼働状況を監視/管理できるようになる。標準では米Oracleや独SAPなどの35種類のアプリケーションの監視プロファイルが含まれるほか、プロファイル情報を作成すれば任意のアプリケーションを監視できる。

「2015年まで製品のロードマップを描いている」

 APMについて説明した米イプスイッチ(Ipswitch)のインターナショナルセールス事業担当副社長、アレサンドロ・ポッロ(Alessandro Porro)氏(写真)は、ネットワーク監視ソフトの市場が拡大していることと、その中でも特にAPMの市場性が高いことをアピールした。例えば、Forrester Researchの調査では、2013年の運用管理ソフト市場は336億ドルであるという。

 市場の高まりを踏まえ、WhatsUp Goldについては、2015年まで年に1回のメジャーバージョンアップと四半期ごとのマイナーバージョンアップのロードマップを描いているという。また、他社と比べたWhatsUp Goldの利点として、「構造がシンプルで簡単に使えること、各種の切り口に立った情報をダッシュボード上で一元的に把握できるようにしていること」(ポッロ氏)などを挙げる。

 国内の販売代理店は全部で8社(2013年3月現在)。日本法人(Ipswitch Japan)で日本事業執行役員を務める榊原徹氏は、代理店の1社でSIベンダーのアイティソシューションサービス(ITSS)との契約関係をより密接にする意向を示す。これにより、日本法人に対してユーザー企業から直接問い合わせがあった場合でも、ITSSのリソースを使い、製品の導入支援からシステム構築、サポートまでをワンストップ型で提供できるとしている。