ドイツDeutsche Telekomの米国子会社T-Mobile USAと米MetroPCS Communicationsは現地時間2013年3月12日、両社の合併案について米連邦通信委員会(FCC)から承認を得たと発表した。

 T-Mobileは昨年10月3日に、両社が合併計画で最終合意に達したことを発表。合意条件のもと、MetroPCSの株主は合計で15億ドルの現金と新会社株式の26%を受け取り、Deutsche Telekomは新会社株式の74%を所有する(関連記事:T-Mobile USAが噂通りMetroPCSとの合併を発表、新会社は「T-Mobile」の名称を維持)。

 FCCの承認に先立ち、米独占禁止法「Hart-Scott-Rodino Antitrust Improvements Act of 1976(HSR Act)」に基づく審査期間が2013年3月5日に終了しており、MetroPCS株主による承認が得られれば合併成立が実現することになる。MetroPCSは4月12日に臨時株主総会を開催し、株主投票を実施する。投票結果を受けてすぐに合併手続きを完了すると見込んでいる。

 FCCのJulius Genachowski委員長は同日発表した声明で、「今回の承認により、米国モバイル市場は引き続き強化が進み、競争の活発化と競合社の活性化に向かう。米消費者に恩恵をもたらし、世界モバイル市場で近年回復を見せている米国のリーダーシップを維持することにもつながる」と述べた。

 しかし現地メディアの報道(Financial Times)によれば、両社の合併にはまだ障害があり、MetroPCS株式の1.66%を保有する米P Schoenfeld Asset Managementは昨年12月に委任状争奪戦を開始し、同9.9%を保有する米Paulson & Coも合併計画に反対しているという。

[発表資料(T-Mobile)]
[発表資料(FCC)]