著名な投資家Carl Icahn氏が会長を務める米Icahn Enterprisesは、現地時間2013年3月11日、米Dellと秘密保持契約を結んだことを明らかにした。これによりDellは、Icahn氏の機密情報開示要求に応じることとなる。

 Dellは2月5日、同社設立者で最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏とプライベートエクイティ会社の米Silver Lake Partnersを中心とする企業連合が同社を買収し、非公開化することで最終合意したことを発表した(関連記事:Dell、約244億ドルで株式非公開化へ、Microsoftが20億ドルを融資)。買収先企業の資産を担保に、銀行などから調達した資金を使って手続きを完了させるレバレッジド・バイアウト(LBO)方式が用いられる。買収総額は約244億ドルで、Dellの株主は普通株1株につき現金13.65ドルを受け取る。

 米メディアの報道(Wall Street JournalCNET News.comなど)によると、Icahn氏は先週Dellの特別委員会に書簡を送り、Dellの「大量の株式」を取得したことを通知するとともに、非公開化計画に抗議。同計画の条件は「Dellを過小評価している」と批判し、1株当たり9ドルの特別配当の支払いを促している。

 またIcahn氏のほかに、大株主の米Southeastern Asset Managementも非公開化計画に強く異議を唱えている(関連記事:Dellの非公開化計画に大株主が「著しい過小評価」と抗議)。

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