米Amazon.comが開発中のスマートフォンは、生産の進捗に滞りがあり、2013年第2四半期(4~6月)の発売予定時期に間に合いそうもないと、複数の米メディアが台湾のIT業界新聞、DigiTimesの記事を引用する形で、現地時間2013年3月11日に報じた。

 DigiTimesはフラットパネルサプライチェーンの情報筋の話として、Amazon.comのスマートフォンの開発を請け負っているのは、中国Foxconn International Holdings(富士康国際)の子会社で、電子書籍リーダー端末「Kindle」やタブレット端末「Kindle Fire」も手がけたEnsky Techと伝えている。しかしEnsky Techでは現在、Amazonのスマートフォンは技術確認試験の段階にある。モバイルプラットフォームに関連する問題が発生したためという。

 Amazonの当初計画では、2013年第1四半期(1~3月)には生産確認試験を完了し、第2四半期に生産を開始する予定だった。しかし現在の状況を見ると、Ensky Techは6月までに量産体制に入れない可能性がある、とDigiTimesは伝えている。

 Amazonが開発中と言われるスマートフォンは、2012年の7月ごろから何度も報じられている。米Bloombergは当時、事情に詳しい2人の関係者の話として、Amazonの端末は米GoogleのモバイルOS「Android」を搭載し、KindleやKindle Fireと同様に低価格市場を狙うと伝えていた(関連記事:Amazon.com、自社ブランドのスマートフォンを開発中か、海外メディアの報道)。

 なお米Forbesによると、2012年11月のインタビューで、スマートフォンの計画について質問された同社のJeff Bezos最高経営責任者(CEO)は「成り行きを見守ってほしい」と笑いながら答えた。このことから、多くの業界関係者が同社ブランドのスマートフォンの存在を信じるようになった、とForbesは伝えている。