新たなgTLD(汎用トップレベルドメイン)の導入に関して、米国作家協会(Authors Guild)は現地時間2013年3月8日、ドメイン名やIPアドレスを管理する非営利組織ICANNが新gTLDの管理権を販売する計画であることに抗議する意向を表明した。

 Authors Guildは、米Amazon.comが「.book」や「.author」などの管理権獲得に、米Googleが「.blog 」などの管理権獲得に入札していることを指摘し、特定の企業に管理権を保持させるべきではないとして、ICANNに意見する文書を送っている。

 新gTLDは、昨年前半に申請受付が行われ、60の国および地域から合計1930件の申請が寄せられた。最も申請されたドメインは「.app」で、Amazon.comやGoogleなど13件の申し込みがあった。Amazon.comはこのほかにも「.kindle」「.free」など合計76個、Googleは「.blog 」「.docs」「.youtube」など合計101個申請した(関連記事:ICANNが新gTLDの申請リストを公開、GoogleやAmazonが「.app」「.cloud」などを申請)。ICANNは、新gTLD導入における権利保護の仕組みである商標データベース「Trademark Clearinghouse」を3月26日に稼働開始し、新gTLDの第1弾を4月に発表する見込み(関連記事:ICANN、新gTLDの商標データベースを3月から稼働開始)。

 Authors GuildのScott Turow会長は、ICANN宛ての文書の中で「汎用ドメインを特定企業の手に委ねることは、明らかに反競争的だ。すでに有力な立場にあり、自己資本が充実した企業に、市場の支配力を拡大させるのを許すことになる。独占的地位が乱用される恐れは無限大だ」と強い懸念を示している。

 米メディアの報道(Wall Street JournalCNET News.comなど)によると、米国出版者協会(AAP:Association of American Publishers)や米Barnes & Nobleも、同様の異議を表明している。

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