写真1●個人開発者の飯島幸太氏
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写真2●モルフォの湯浅隆史氏
写真2●モルフォの湯浅隆史氏
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写真3●イベント名などを特定し写真情報を共有する
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 2013年3月8日、NFC(Near Field Communication)をテーマにした専門展「NFC & Smart WORLD 2013」で、「ソフト開発者が語る、NFCアプリの『ここが魅力!』」と題するセッションが開催された。

 このセッションに登壇したのは、スマートフォン向けアプリの開発コンテスト「Android Application Award(A3=エーキューブ) 2013」の早期応募者の中から「早期応募特典」として選抜された開発者の2人。「体重計ロガー(仮)」「かざして体重計シェア(仮)」を開発した個人開発者の飯島幸太氏、「In the Loop」を開発したモルフォの湯浅隆史氏である(写真1、2)。

 体重計ロガーとかざして体重計シェアは、いずれも赤外線通信対応で表示部が分離するタイプの体重計を活用、電子工作とNFCを組み合わせて作成した。体重計ロガーは本体に測定値を保存する装置で、NFCリーダーにかざして測定値を読み出す。かざして体重計シェアは、専用装置にNFC対応のICカードやスマートフォンをかざしてから体重を測定することで、ネット上に測定値をアップロードする。ICカードやスマートフォンなどを、個人を識別するためのIDとして利用する。

 セッションで飯島氏は、自作した測定装置や体重計を持ち込み実演した。同氏は、「2013年がNFC元年だととらえ、“やるなら今”と考え開発することにした」と説明した。

 一方のIn the Loopは、「実際に会った人同士のデータ共有」を売りにした写真共有サービスである。NFCや2次元バーコードなどを介して、写真を保存しているサーバーの情報を共有する(写真3)。写真共有サービスは多数あるが、「実際に出会った人限定」というのが特徴。「同じソーシャルメディアに登録することなくメールアドレスや写真を共有できるので、たまたまその場で出会った人との間で手軽に写真を受け渡しできる」(湯浅氏)とする。ユーザーの声を基に開発した機能だ。同アプリは、Google Playからダウンロードできる。

 飯島氏は、自身の開発経験から「ハードウエアを組み合わせる、あるいは書き込み機能を使うなどの手法で、NFC対応アプリの幅が広がる」と語った。湯浅氏は「複雑なやりとりを一気に省略できること」だと表現する。例として挙げるのが、BluetoothやWi-Fi Directのペアリング機能である。

 A3 2013ではNFC賞を設け、今回のセッションで紹介したアプリを含むNFC対応アプリの中から優秀なアプリを表彰する予定だ。