図1 2010年中に出現したモバイルウイルスの、プラットフォーム(OS)ごとの割合(エフセキュアの情報から引用。以下同じ)
図1 2010年中に出現したモバイルウイルスの、プラットフォーム(OS)ごとの割合(エフセキュアの情報から引用。以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 2012年中に出現したモバイルウイルスの、プラットフォーム(OS)ごとの割合
図2 2012年中に出現したモバイルウイルスの、プラットフォーム(OS)ごとの割合
[画像のクリックで拡大表示]
図3 プラットフォーム(OS)ごとのモバイルウイルス出現数の推移
図3 プラットフォーム(OS)ごとのモバイルウイルス出現数の推移
[画像のクリックで拡大表示]

 フィンランドのセキュリティ企業であるエフセキュアは2013年3月7日、携帯機器に感染するウイルス(ここでは「モバイルウイルス」)の現状を報告した。2012年第4四半期(10月~12月)に出現したモバイルウイルスの96%は、Androidを狙ったウイルスだったという。

 エフセキュアによれば、Android搭載機器の普及に伴い、Androidを狙ったウイルスが年々増加しているという。例えば、2010年に出現した新種モバイルウイルスの6割以上はSymbianで動作。Androidで動作するウイルスは1割強にすぎなかった(図1)。

 ところが2011年になると、Androidウイルスが急増。同年に出現した新種モバイルウイルス195種類のうち、Androidウイルスが66.7%を占め、Symbianウイルスの割合は29.7%まで低下した。

 2012年になると、Androidウイルスの割合はさらに増加(図2)。四半期ごとでは、第1四半期から第3四半期までは50%弱だったが、第4四半期に96%と急増(図3)。年平均では、2011年を上回る79%に達した。

 Androidウイルスの手口の1つは、有料SMSの悪用。例えば、2012年第4四半期に新たに確認されたAndroidウイルス96種のうち、21種類が有料SMSを悪用する。ここでの有料SMSとは、メッセージを送信すると課金され、受信者に料金が支払われるサービスのこと。

 Android搭載機器に感染したウイルスは、攻撃者が用意した有料のSMSにメッセージを送信。ユーザーの知らないうちに課金され、料金は攻撃者に支払われる。同社によれば、比較的容易に金銭を奪取できるため、この手口がよく用いられるという。

 なお、この手口のターゲットになるのは、主にロシアや欧州のユーザー。日本国内では有料SMSは提供されていないので、国内ユーザーが被害に遭うことはない。