監査法人トーマツは2013年3月8日、データ分析を利用して企業内の不正対応の体制整備を支援するサービス「不正対応アナリティクス」の提供を開始した。会計データや販売データといった構造化データに加え、Webアクセスや電子メール、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの非構造化データを組み合わせ、疑わしい取り引きを抽出したり、不正の予兆となる事象の特徴を把握し、不正への対応体制の整備に役立てる。

 不正対応アナリティクスは、不正の特徴を持つ取り引きを抽出する手法であるルールベースアプローチと、不正の発生を予測する統計モデルアプローチを併用する。加えて、リスク分析の専用ツール「DTect」をデータ分析に利用する。DTectはトーマツが所属するデロイトグループが開発したリスク分析用の専用ソフトだ。税、買掛金、売掛金、人事、マネーロンダリングなどの領域で、不正や誤りの可能性が高いデータを検出できる。

 不正対応アナリティクスの料金は、会計データのうち売掛金データを分析対象とした場合、500万円程度から。トーマツは既にソーシャルメディア内の評判やセキュリティといった領域で、リスク分析サービスを提供している。