写真1●ヴイエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏
写真1●ヴイエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏
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写真2●日本のBYOD導入率は他の地域より低い
写真2●日本のBYOD導入率は他の地域より低い
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写真3●ITのモバイル化は日本でも同様に必要と感じている
写真3●ITのモバイル化は日本でも同様に必要と感じている
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写真4●テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏
写真4●テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏
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 ヴイエムウェアは2013年3月8日、日本を含むアジア太平洋地域の12の国・地域を対象としたワークスタイル実態調査の結果を発表した。BYOD(Bring Your Own Device)の導入率について、アジア太平洋地域全体では83%に上ったのに対し、日本ではわずか22%にとどまった。日本でのBYOD導入が大きく遅れていることが浮き彫りになった。

 この調査は、同社が2012年12月から2013年1月にかけて実施したもの。従業員1000人以上の企業に勤務する18~64歳の男女2142人が対象だ。このうち、日本では20~64才の男女152人が対象である。

 発表会では、まず同社代表取締役社長の三木泰雄氏が調査結果について解説した(写真1)。

 今回の調査ではBYOD導入について、「私物のモバイル端末(ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末)を仕事で使用しているか」という質問を用意した。アジア太平洋地域全体では、回答者の83%が「使用している」と回答した。一方、日本だけの回答では、22%が「使用している」と答え、78%が「使用していない」との回答だった(写真2)。

 ただし、「業務上、ITのモバイル化は必要だと感じるか」という問いに対しては、日本の回答者の82%が「必要であると感じる」と答えた(写真3)。これは他の国・地域と同程度に高かった。この結果について三木氏は「エンドユーザーのモバイル化の要望と利用の実態の間に大きなギャップがある」と指摘した。

 また、日本限定で「会社から仕事用に支給されているPCの社外持ち出しが禁止されているか」という質問を用意。これに対し、「禁止されている」という回答が70%にも上った。2012年の調査では71%という結果が得られており、ほとんど変化がないことが分かった。三木氏はこの結果を受け、「日本の企業はセキュリティにシビアだが、半面、そのことが自由なワークスタイルを阻害している」と分析した。

 続いて、テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利氏が、日本におけるテレワークの現状について説明した(写真4)。

 総務省「平成23年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業は9.7%にとどまっているという。また、資本金50億円以上の大きい企業では、24.7%がテレワークを導入しているのに対し、資本金1000万円未満の比較的小さい企業では2.7%にとどまっていると述べた。さらに、テレワークを導入しているといっても、その多くは「育児のために週1回だけ」といったケースがほとんどという実態を紹介した。

 同氏は「こうした在宅勤務は、現状の仕事のやり方を変えずに済むが、テレワークのメリットを享受することは難しい」と指摘した。

 従来の在宅勤務は「テレワークではそもそも仕事が限られる」との考えに基づき、資料作成や翻訳、データ分析など在宅でできる仕事を無理やり作ってきた面があるという。しかし、テレワークのメリットを最大限享受するには「通常の業務を在宅でもできるように仕事のやり方を変える、という発想の転換が必要になる」と同氏は主張した。


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