米GoogleとMPEG特許のライセンス管理事業を手がける米MPEG LAは現地時間2013年3月7日、Googleのビデオコーデック「VP8」に関して特許ライセンス契約を結ぶことで最終合意したと発表した。これにより、MPEG LAはVP8の特許プールを形成する取り組みを打ち切る。

 両社の合意のもと、GoogleはVP8とそれ以前の世代のVPxで基盤とする技術に関するライセンスをMPEG LAから取得する。対象となる技術には、11社の特許が含まれる。また、Googleは、これらの技術をVP8ユーザーにサブライセンスする権利も得る。サブライセンスは次期版VPについても認められる。

 Googleの特許担当副法務顧問のAllen Lo氏は「今回の合意は、VP8の幅広い普及を目指す取り組みにおいて、重大な出来事だ」と述べている。なおライセンス料などの詳細については明らかにしていない。

 Googleは、2009年8月に米On2 Technologiesを買収した際にVP8技術を取得し、2010年5月にオープンソース化した。2011年1月には、広く採用されている「H.264」コーデックがオープンソースではないことを理由に、同社のブラウザー「Chrome」でのサポートを打ち切ると発表し、VP8の提唱を進めていた。

 こうした動きを受け、H.264関連のライセンスを管理しているMPEG LAは、VP8の特許プール形成に向けて、同技術に必須となる特許の募集を開始した。その際MPEG LAは、VP8がパテントフリーだということに異議を唱え、「ほぼすべてのコーデックは特許技術をベースにしており、多くがH.264と同様の必須特許を使用している」と主張していた(米ZDNetの報道)。

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